イングランド
'''イングランド'''('''England''')は、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(イギリス)を構成する4つの「国」(''country'')の1つである。漢字表記は'''英蘭'''だが、現在では用いられない。人口は連合王国の83%以上、面積はグレートブリテン島の南部の約3分の2を占める。北方はスコットランドと、西方はウェールズと接する。北海、アイリッシュ海、大西洋、イギリス海峡に面している。イングランドの名称は、ドイツ北部アンゲルン半島出身のゲルマン人の一種であるアングル人の土地を意味する "Engla-land" に由来する。イングランドは、ウェールズとともにかつてのイングランド王国を構成していた。
用語法
日本においては、「イングランド」あるいは「イングランド及びウェールズ」を指して、しばしば、(通常は'''連合王国'''の意味で用いられる)「'''イギリス'''」ないし「'''英国'''」といった呼び方が用いられることがある。また、日本に限らず、文脈によっては、ウェールズを含めた意味で、あるいは連合王国全体を指してイングランドという言葉が用いられることもある。しかしながら、いずれも正確でない上に、政治的にも正しくないとされる。次のエントリ歴史
イングランドの名はフランス語で "Angleterre" と言うように「アングル人の土地」という意味である。ローマ領ブリタニアからローマ軍団が引き上げた後、ゲルマン系アングロ=サクソン人が侵入し、ケルト系ブリトン人を征服または追放してアングロ=サクソン七王国が成立した。アングロ=サクソンの諸王国はデーン人を中心とするヴァイキングの侵入によって壊滅的な打撃を受けたが、ウェセックス王アルフレッドが最後にヴァイキングに打ち勝ってロンドンを奪還し、デーンロー地方を除くイングランド南部を統一した。その後、エドガーの時代に北部も統一され、現在のイングランドとほぼ同じ領域の王国となる。一時イングランドはデンマーク王クヌーズ(カヌート)に征服されるが、その後再びアングロ=サクソンの王家が復興する。しかし1066年ノルマンディー公ギヨームに征服され、ギョームがウィリアム1世(征服王)として即位、ノルマン王朝が開かれた。ノルマン人の征服によってアングロ=サクソン系の支配者層はほぼ一掃され、フランス語が国王・貴族の公用語となった。その後、プランタジネット王朝は英仏に広大な領土をもつ「アンジュー帝国」となるが、この時期になるとフランス系のイングランド諸領主も次第にイングランドに定着し、イングランド人としてのアイデンティティを持ちはじめた。そして最終的に、14~15世紀に起こった百年戦争によってほぼ完全にフランス領土を失い、このような過程を経て現在に繋がるイングランド王国が成立し、民族としてのイングランド人が誕生した。次のエントリ政治
1603年以来、ジェームズ1世がイングランドとスコットランドの両方を統治していたが、1707年にイングランドとスコットランドが連合してグレートブリテン王国を形成した。合同法によって両国の議会は統合された。1996年に北部アイルランド、1999年にはスコットランドに292年ぶりに議会が復活しウェールズ議会も開設され、地方分権的自治が始まったが、「イングランド議会」は議会合同以来存在しない。次のエントリ
行政区画
イングランドの地方行政制度は時の政府の政策によって変遷が激しく、歴史的な実態と必ずしも対応していない。例えば、ロンドン市役所はサッチャー政権によって廃止され、一種の区役所のみが正規の行政組織として機能していたが、2000年にブレア政権によって大ロンドン地域として復活した。現在のイングランドは行政的に9「地域」 () に区分される。このうち大ロンドン地域のみが2000年以降市長と市議会を有するが、その他の地域には知事のような首長は存在せず、議会を設置するかどうかは住民投票によって決まるので、議会が存在しない地域もある。地域を統括する行政庁は存在するがそれほど大きな権限はない。
つまり「地域」は行政上存在してもあまり実体のある存在とはいえない。ブレア労働党政権は「地域」の行政的権限を強化したい意向だが、保守党は反対している。したがって現在のところ、実体のある地方行政組織は行政州 (county) または都市州 (metropolitan county) であり、都市州の下級行政単位として区 (borough) が存在する地域もあるが、都市州がなく区のみが存在する地域もある。
行政州 (administrative county) 以外に伝統的な州 (ceremonial county) も名目的ながら現在も使用されるが、行政的な実体はない。次のエントリ
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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