司法の判断
このグレーゾーン金利に関して、裁判所は、債務者に有利な方向で解釈する姿勢が強く表れている。利息制限法に関する判断
みなし弁済に関する判断
● 最高裁平成18年1月13日判決「法43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」とは、債務者が利息の契約に基づく利息の支払に充当されることを認識した上、自己の自由な意思によってこれを支払ったことをいい、債務者において、その支払った金銭の額が利息の制限額を超えていることあるいは当該超過部分の契約が無効であることまで認識していることを要しないと解される(最高裁昭和62年(オ)第1531号平成2年1月22日第二小法廷判決・民集44巻1号332頁参照)けれども、'''債務者が、事実上にせよ強制を受けて利息の制限額を超える額の金銭の支払をした場合には、制限超過部分を自己の自由な意思によって支払ったものということはできず、法43条1項の規定の適用要件を欠く'''というべきである」(最高裁判所平成16年(受)第1518号平成18年1月13日第二小法廷判決・民集60巻1号1頁)。次のエントリ
貸金業法改正の経緯
平成18年(2006年)2月、貸金業の監督を行う金融庁は、平成18年1月13日に出された最高裁判決を受けて、貸金業規制法施行規則(内閣府令)の改正を行うことを表明した。ただ、グレーゾーン金利の撤廃については未定とした。また、同年4月、金融庁総務企画局長の私的懇談会「貸金業制度等に関する懇談会」では、グレーゾーン金利の撤廃について意見の一致を得た。撤廃後に、どの程度の利率で制限するかについては、出資法の上限金利(年29.2%)を、利息制限法の上限金利まで引き下げ、それ以上の金利で融資した業者に刑罰が課せられる制度とすることが望ましいとする意見が多かった。
同年9月、金融庁がまとめた貸金業規制法改正案が明らかになったが、その内容は「貸金業制度等に関する懇談会」の答申にほど遠く、特例金利の撤廃までの猶予期間を「9年間」とし、その間は現行のグレーゾーン金利をほぼそのまま維持するという内容だった。その背景には、自民党・金融サービス制度を検討する会(甘利明代表)所属議員を中心とする族議員の圧力が存在するといわれ、同会顧問を務める保岡興治・元法務大臣は9月8日のTBS「みのもんたの朝ズバッ!」に出演して特例金利の維持を訴えた。また、同会事務局長を務める西川公也・元郵政民営化担当副大臣は民営化後の郵貯資金を貸金業界に流すべきだと主張した。こうした動きに対し、後藤田正純・内閣府金融担当政務官が金融庁案は貸金業界への妥協の産物であると反発し、政務官を辞任した。
安倍晋三総理大臣は第165回予算委員会において「消費者の利便ということも考えなければならない」とし、グレ-ゾーン金利の即時撤廃については慎重な発言をしていた。www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001816520061006003第165回国会予算委員会
紆余曲折を経て、最終的に内閣より議会に提案された法案では法公布後3年後を目処に、出資法の上限金利を20%に下げると共に貸金業法の上限金利を利息制限法と同一とし、みなし弁済の廃止、日掛金融の特例金利の廃止、総量規制の導入が盛り込まれた。
同法案は、衆参両院で全会一致で可決され、2006年12月20日に公布、2007年12月19日に施行された。上限金利については、2009年12月19日を目処に引き下げされる見込みである。(法令上では2010年6月18日迄に引き下げ。)次のエントリ
貸金業者の反応
グレーゾーン金利を撤廃すると、消費者金融の貸出金利が下がることで融資の際の審査が厳格化し、消費者金融に融資を断られた人がヤミ金に手を出すと主張し、撤廃に反対した。また、自民党では金融調査会長を務める金子一義・元行政改革担当大臣が同様の主張を行い、グレーゾーン金利を擁護した。法公布・施行後は、大手を中心に貸出金利を引下げる動きが加速している。次のエントリ
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
別のワードで検索!
トレンドマガジン [マグゥ]でグレーゾーン金利を検索







過払い返還訴訟 14倍に 甲府地・簡裁 「グレーゾーン金利」無効判例後 経営揺らぐ貸金業界