コダクローム

リバーサルフィルム

'''リバーサルフィルム'''(Reversal film)は写真フィルムの一種で、現像したフィルム上にコントラスト・色が反転していない陽画が写るタイプのフィルムである。ネガフィルムとは逆に画像や明るさをそのとおりに見ることができるため、'''ポジフィルム'''あるいは'''陽画フィルム'''とも呼ばれる。スライドプロジェクタで拡大投影して使われることもあるため、「スライドフィルム」とも呼ばれる。また、英語では“transparency film”とも表記される。

日本では富士フイルムコダックなどによって製造または販売されている。

ほとんどの製品はカラーフィルムである。モノクロリバーサルフィルムも過去においてはコニカより「コニパンリバーサル」、また最近ではアグフア・ゲバルトからの一製品が販売されていたが、これも2005年に製造中止となった。

ネガフィルムと比してラティチュードが狭く、フィルム自体が完成品となり撮影後の露光補正手段が限られているため、正確に露出を合わせて撮影する必要がある。その反面、鮮やかでリアルな色再現性や解像度の良さから高く評価され、写真の分野においてプロやハイアマチュア写真家によく用いられる。しかしデジタル一眼レフカメラの普及により、プロを中心にリバーサルフィルムの利用が減少したため、一部のメーカーが撤退したほか、フィルム価格の高額化やラインナップの縮小を余儀なくされている。 書籍雑誌ポスターなど印刷用途としては、透過原稿の方が適しているためによく用いられてきたが、それも最近では出版がDTP化し、コンピューターと連携させやすいハイスペックのデジタルカメラに置き換わりつつある。
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コダクローム
【画像】コダクロームについて、連日書い

構造

フィルム自体の基本的な構造はネガフィルムもリバーサルフィルムも全く同じで、トリアセテートベースの上に、下から赤感光乳剤、緑感光乳剤、黄色フィルター層、青感光乳剤が塗布してある。実際には、この他に発色を改善したり保護したりする複数の層が設けられている。次のエントリ[ 現像処理 ]
コダクローム
【画像】コダクローム64の国内販売終了

現像処理

現像処理は、ネガカラーフィルムの場合は、最初から発色現像を行うが、カラーリバーサルフィルムの場合は、その前に反転現像とよばれる一連の処理が行われる。

内式フィルムの現像においては、イーストマン・コダック社のE-6という処理が事実上の標準処理であり、フジクロームのCR-56もこれに準じた完全に互換性のある処理である。アグファクロームはAP-41処理、コニカクロームはCRK-2-61処理を専用処理に指定していた。

反転現像では、まず最初に第一現像といわれる黒白現像が行われる。これは、感光した部分の潜像を金属銀に変化させるもので、モノクロネガフィルム用の現像液と近似の現像液(モノクロネガ用よりコントラストが高くヌケがよい)が用いられる。第一現像終了後の状態はモノクロネガフィルムのように、光が当たった部分が黒くなっている。

次に、第一現像で現像されなかった部分を感光させるための処理が行われる。昔は第二露光といって、白熱電灯を用いて感光させることが行われていたが、露光ムラを防ぐため現在では薬品でカブリ現像を行う。第二露光または、カブリ処理の終了後状態は、第一現像で金属銀が生じた部分以外に、処理で感光した潜像が生じている。この潜像が発生した部分に対して行うのが、発色現像であり、以下の処理はネガカラーフィルムと同じである。最近のE-6処理ではカブリ現像と発色現像を同時に行うように改良されている。

発色現像では、EDTAなどの薬品が使用されるが、酸化発色で色素が形成される。終了後定着を行い、第一現像で生じた金属銀と二次感光で発生した潜像の金属銀を漂白で溶かし、洗浄すると透明陽画が形成される。
次のエントリ[ 内式と外式 ]
コダクローム
【画像】の「コダクローム64フィルム
コダクローム
【画像】最後のコダクローム2

内式と外式

カラーリバーサルフィルムには、感光乳剤中に色素を形成するカプラーを混入したものと、発色現像液中にカプラーを混入して処理するものがあり、前者を「内式」後者を「外式」と呼ぶ。登場当時のカラーリバーサルフィルムは全て外式であったが、イーストマン・コダック社が唯一製造していた外式カラーリバーサルフィルム、コダクロームが2009年に販売終了し、すべての製品が内式となった。外式フィルムの現像は上記の内式フィルムの現像より複雑で、3色分の感光乳剤層を個別に二次露光と現像をするので、機械の精度や技術者の熟練が必要とされ、メーカーの指定の限られた現像所(KODAK K-LAB)でしか処理できない。販売された全てのコダクロームフィルムが使用期限を過ぎ、2010年12月30日受付分をもって現像処理を終了した。次のエントリ[ デイライトフィルムとタングステンフィルム ]

デイライトフィルムとタングステンフィルム

カラーフィルムには、太陽光およびフラッシュ光源で撮影することを前提に作られた'''デイライトフィルム'''と、白熱電球などタングステン光源で撮影するように作られた'''タングステンフィルム'''が存在する。この区別はリバーサルフィルムに限らずカラーネガフィルムにも存在するが、後者はきわめて少数しか存在しない。

デイライトフィルムは色温度5,500K、タングステンフィルムは色温度3,200K前後の光源が基準の色再現設計となっている。このためデイライトフィルムでタングステン光源下の被写体を撮影すると赤っぽく写り、タングステンフィルムで昼光下の被写体を撮影すると青く写る。どちらも色温度変換フィルターにより異なる色温度下での撮影に対応できるが、その分露光倍数が掛かり光量を損失することになる。タングステンフィルムの青い写りを利用して印象的な夜景やユニークな撮影に利用するユーザーも多い。
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出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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