Google ストリートビュー
'''Google ストリートビュー'''(グーグル・ストリートビュー、)は、Googleがインターネットを通じて提供しているWebサービス。2007年に開始された。世界各地の大都市圏を手始めとし、カメラを地面から高い位置に搭載した車両(当初は自動車、後に三輪自転車も加わる。)を多数走らせて撮影した道路沿いの風景が、Google マップおよびGoogle Earth上で、地上約2.45メートルから撮影された360度のパノラマ写真で表示される。当初はアメリカの主要都市のみ対応していたが、現在はパリ、ロンドン、ニューヨーク、トロント、東京といった日本の主要都市など世界各国の主要都市もカバーしている。
【動画】オンラインで街を歩こう。Google マップのストリートビュー

Google マップのストリートビューがいよいよ日本でも公開されました。「ストリートビューってなに?」という方は、ビデオご覧ください! ストリートビュー: maps.google.co.jp
概要
ストリートビュー機能は、Google マップおよびGoogle Earth上で利用できる。Google マップでは、利用可能な地域に地図を合わせることで、縮尺の調節バーの上の人型のアイコン(「Pegman」)が黄色に点灯する。この状態で人型のアイコンを地図上にドラッグすると、利用可能な地域(日本では主要な国道をはじめ、都市部の道路が青色で表示されるので、そこにアイコンを配置(ドロップ)することで風景を閲覧できる。ビュアーでは、道路に沿って黄色いラインと矢印が表示されるので、矢印をクリックすることで直接位置を移動できるほか、写真の拡大や縮小、全画面表示、マウスによる視点の変更が可能。Google Earthの場合は、まずStreet Viewレイヤーを有効にするとマップ上に黄色いカメラのアイコンが表示され、そのアイコンをダブルクリックするとビュアーが起動して風景が表示される。ユーザーが、ストリートビューの提供されている道路上の任意の地点を選んでクリックすると、地図や衛星写真から路上風景のパノラマ写真に切り替わり、地図はその右下に表示される。車載カメラは3次元方向のほぼ全周(水平方向360度、上下方向290度)を撮影しているため、パノラマ写真上でマウスをクリックしたり、キーボードを操作してポインタを動かすことで、上下(仰角・伏角)・前後・左右へと視野を移動させたり、ズームアップやズームアウトさせたりすることもできる。パノラマ写真内の道路に沿って表示されている線はカメラを積んだ車両が撮影しながら動いた経路であり、ユーザーはこれに沿ってパノラマ写真内の先や手前へ視点を動かすこともできる。自動車での撮影が適さない場合には Street View Trike と名づけられた三輪自転車が用いられている。
特定地点の特定アングルのパノラマ写真を友人らや仕事相手と共有したい場合、その写真を印刷したり、そのアングルのURLをメールに貼りつけて送ったり、HTMLを貼りつけてウェブサイトに表示させたりすることができる。
2007年5月25日に立ちあげられた時点ではアメリカ合衆国の5都市の路上風景だけが対象であったが、その後アメリカ全土をはじめ、世界各国へとサービス地点を拡大させ続けている。一方で、車載カメラからは路上にいる人々の顔や、塀や窓の中の様子までが見えてしまうため、各国でプライバシーをめぐる論争を起こしている。次のエントリ
パートナープログラム
ディズニーランド・リゾート・パリはテーマパークとして史上初めて、Google ストリートビューのサービスを提供した。以降、「パートナープログラム」として、広報、宣伝、広告を目的とした、施設や私有地の撮影が行われている。2011年2月1日には、ニューヨーク近代美術館など世界16か所の美術館およびヴェルサイユ宮殿と提携して「Google アートプロジェクト」を開始している。18ヶ月にわたって各美術館と協力してストリートビューの機材で展示室を撮影し、閲覧者が展示室の作品部分を拡大して高解像度で鑑賞できるようにしている。次のエントリ
【動画】ストリートビューのプライバシーについて
Google マップのストリートビューのプライバシーに対する考え方をアニメーションで説明したビデオです。詳細はこちらのリンクをご覧ください。 www.google.co.jp
撮影方法とプライバシー問題
日本国内や香港ではトヨタ・プリウス、北米ではシボレー・コバルトやトヨタ・プリウス、ヨーロッパではオペル・アストラ(オーストラリアやニュージーランドではホールデン・アストラ)、ブラジルではフィアット・スティーロなどの自動車で、中心より220cm上に取り付けられたカメラで撮影し、自動車で通行できる場所のほとんどはこのような方法で撮影されている。中には、自動車の通行できない場所(大学や観光施設など)で撮影された写真もあるが、その場合は自転車(トライク)や専用の機材に取り付けられたカメラが用いられている。これについて、公開した各国で「住宅地も写るためプライバシーを侵害している」という批判の声が多く上がり、アメリカ・ペンシルベニア州の住民がストリートビューで自宅内部を勝手に公開されたとして、Googleを相手に裁判を行う事態も起こった。その中でGoogleが答弁として「'''現代では完全なプライバシーなど存在しない'''」と反論を述べている。また、レドモンドのマイクロソフト・ラボに侵入して長時間写真を撮り続けて企業スパイと勘違いされ、一騒動起こしたこともある。
ただし、肖像権については自動認識プログラムでぼかしを入れ修整することで解決する、とGoogle側はコメントしているものの、いまだ顔やナンバープレートの表示されている箇所などが報告され、解決とはいえない状況である。日本では家々の表札や店舗の電話番号が多く写っているほか、「関係者以外立入禁止」と明記されている道路や、女子校の敷地内にある道路など公道以外で撮影を行っていること、さらには横浜市の条例に違反する行為や自動車通行止めなど通行規制を無視して進入した事例も報告されている。地方自治体や弁護士らも動いており、東京都杉並区は2008年8月12日と11月7日にGoogleに対し「プライバシーへの配慮と削除要請への適切な対応」を申し入れており、東京都町田市、大阪府茨木市、北海道札幌市をはじめ全国の地方議会から何らかの規制検討や、撮影の事前告知を求めるといった内容の意見書提出も相次いでいる。福岡県弁護士会は2008年12月2日に「ストリートビューサービスの中止を求める声明」を出した。2009年2月3日に東京都の個人情報保護審議会にGoogle日本法人も出席し、「プライバシーについて詰めが甘かった」と釈明。今後は画像の公開前に該当地方自治体に知らせる意向を示すとともに、海外では公開前に官庁や自治体には事前説明していながら、日本では事前説明をしていなかったことも明かした。住宅街の撮影にも想像力が足りなかったとし、社内で議論を進めていると述べた。
またプライバシー侵害問題を受けGoogle日本法人は2009年5月13日にこれまで路上高さ2.45mで撮影をしていたが、今後は塀の中が見えないとされる40cm低くした路上高さ2.05mに変更して撮影すると発表した。今までに公開した映像は2.05mで撮り直し順次置き換えてゆくとしている。40cm低くすると決定したにもかかわらず、2.45mで撮影済みの未公開映像を公開するという、ちぐはぐな対応も指摘されている。同時に数字などが判別できた車のナンバープレート画像にぼかし処理を施したり電話窓口も設ける対策も打ち出した。これに関してぼかしがあればプライバシーや肖像権を侵さないと総務省が見解を表明した。
日本以外でも、プライバシー権のための活動家たちが、このサービスに反対している。この中では、ストリップクラブから出てきた男性、中絶クリニック前の反対運動家、ビキニで日光浴をする女性、公園のホームレス、子供を殴る親、公道から見えてしまう私有地内での生活風景など、写されている本人が世界に公開されたくない画像も大量に含まれていることも批判されている。また子供を持つ親は、ストリートビューで安全が損なわれることを懸念している。これに対しても、Googleは、ストリートビューは公共空間から撮影されたものであると主張し、写っているものは全て公道から誰でも見ることのできるものとしている。サービス開始前にGoogleはドメスティックバイオレンスからのシェルター(保護機関)など公開されると困る施設を写真から除去し、サービス公開後はユーザーに、不適切な情景や人によっては敏感な問題のある情景をGoogleに通報して除去を行うよう要請できる措置を講じている。当初この手続きは、自分の写っている写真の除去のため、自分のIDカードの写真提示を求められるなど複雑であったが、後に簡素化された。しかし写っている本人が見れば問題になりそうな日光浴やアダルトショップを出入りする人の写真はなお残っている。
Googleは写っている人の顔にぼかしを入れる機能を2008年5月13日から開始し、以後にリリースされたストリートビューにはおおむね人間の顔または顔を描いた街頭の広告などにもぼかしが入っている。しかしこの機能も完全ではなく、2007年にGoogleはオーストラリアで人の顔や車のナンバープレートが分からないようにすると断言したが、2008年8月のサービス開始時には顔もナンバープレートも未修整のものが多く残されていた。またGoogleは、連邦政府施設の集中するボルチモア=ワシントンD.C.大都市圏でのストリートビューサービスを、アメリカ国土安全保障省から治安上敏感な建物も多いという要請も受け、リリースを遅らせた。国防総省からも米軍施設の写真を除去するよう要請を受け応じている。ミネソタ州セントポール郊外にあるノース・オーク市()はGoogleに対し、市内が全て私有地との理由からストリートビューの削除を要請した。Googleはこれに従っている。2009年11月にはスイスの連邦データ保護・情報コミッショナー(FDPIC)が、ストリートビューでの顔やナンバープレートのぼかしが不十分であることから改善勧告を行ってきたが受け入れられていないとしてGoogleを訴えることを明らかにしている。
2009年、イギリスにおいてもストリートビューサービスは開始されたが、運用開始からわずか24時間以内に数十枚の画像が削除要求を受けたとされている。
2009年3月3日、タイムズは、バッキンガムシャー州のBroughton(ブロートン村)にて、ストリートビューの撮影車が怒り出す住民に取り囲まれ、撮影を断念する事態があったことを報じた。
2010年5月には、グーグルがストリートビューの情報収集中に、WiFiのアクセスポイント情報だけでなく、暗号化されていない通信内容まで収集し記録していたことがドイツで明らかになり、各国で物議を醸し司法関係者から調査に入ることを示唆された。日本でも2011年11月11日に総務省が再発防止を指導した。
2010年9月、チェコでは、プライバシー問題からグーグルは新しく画像を収集することを禁止されたと報じられた。2010年10月には、オーストラリアでの数カ月に渡る当局からの捜査の末、ストリートビューはオーストラリアでの調査を終了した。次のエントリ
関連項目
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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