トマト

トマト

'''トマト'''(学名:''Solanum lycopersicum'')は、ナス科ナス属植物。また、その果実のこと。多年生植物で、果実は食用として利用される。トマトは、緑黄色野菜の一種である。

ほとんど使われないが、唐柿(とうし)、赤茄子(あかなす)、蕃茄(ばんか)、小金瓜(こがねうり)などの異称もある。
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トマト
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種としてのトマト

トマトは長らく独自の属(トマト属 ''Lycopersicon'')に分類されてきたが、1990年代ごろからの様々な系統解析の結果、最近の分類ではナス属 (''Solanum'') に戻すようになってきている。元々リンネはトマトをナス属に含めて''lycopersicum''(ギリシャ語''lycos'' '狼' + ''persicos'' '桃')という種小名を与えたが、1768年にがトマト属を設立して付けた''Lycopersicon esculentum''が学名として広く用いられてきた。この学名は国際植物命名規約上不適切な(種小名を変えずに''Lycopersicon lycopersicum''とすべき)ものであったが、広く普及していたため保存名とされてきた。しかし系統解析によりトマト属に分類されてきた植物がナス属の内部に含まれることが明らかとなったため、ナス属を分割するか、トマト属を解消してナス属に戻すかの処置が必要になった。したがってリンネのやり方に戻して、学名も''Solanum lycopersicum''とするようになっている。

植物学において、近年トマトはナス科のモデル植物として注目されている。Micro Tom は矮性で実験室でも育成が可能な系統として利用されている。また、国際的なゲノムプロジェクトも行われており、研究のためのリソースが整備されつつある。
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トマト
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植物的特性

日本では冬に枯死するため一年生植物であるが、熱帯地方などでは多年生であり適切な環境の下では長年月にわたって生育し続け、延々と開花結実を続けることができる。1本仕立てで1年間の長期栽培を行うとその生長量は8m~10mにも達する。

通常の品種(支柱に誘引するタイプ)では発芽後、本葉8葉から9葉目に最初の花房(第一花房)が付き、その後は3葉おきに花房を付ける性質をもつ。地這栽培用の品種では2葉おきに花房をつける品種も多い。
また、各節位からは側枝が発生する。側枝では5葉目と6葉目に花房が付き、その後は3葉おきに花房を付けるが、側枝は栽培管理上、除去される事が多い。
株がストレスを受けると正常な位置に花が付かない(花飛び)現象が発生するため、株が適切に生育しているかどうかを示す指針となる。

適温は昼温20~25度、夜温10~20度とされる。気温が30度を超えた環境では花粉稔性の低下により着果障害や不良果が増加し、最低気温が5~10度を下回ると障害を受ける。適湿度は65~85%でありこれ以下では生育が劣り、これ以上では病気が発生しやすくなる。

潅水量が多すぎると果実が割れ、少ないと障害果が発生するため、高品質な果実を作るためには潅水量の細かい制御を必要とする作物である。潅水量を減らすことで高糖度な果実を生産することができるが、収量は減少する。水耕栽培では養液の浸透圧を制御する事で高糖度化を行うことができる。

トマトにはアルカロイド配糖体(トマチン)が含まれる。その含量は品種や栽培方法によって異なるが、かずさDNA研究所による測定例では、花 (1100mg/kg) 、葉 (975mg/kg) 、茎 (896mg/kg) 、未熟果実 (465mg/kg) 、熟した青い果実・グリーントマト (48mg/kg) 、完熟果実 (0.4mg/kg) という報告がされている。
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トマト
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品種

色による分類では'''ピンク系'''と'''赤系'''と'''緑系'''に大別される。
ピンク系トマトの果実はピンク色を呈し、赤系トマトの果実は濃い赤やオレンジ色を呈する。
日本ではピンク系トマト(‘桃’系)が生食用として広く人気を博し、赤系トマトはもっぱら加工用とされた。しかし近年になって赤系トマトには、抗酸化作用を持つとされる成分リコピンが多量に含まれていることから利用が見直されている。その他に白、黄、緑色、褐色、複色で縞模様のものがある。果実にはゼリー状物質が満たされているが、一部の品種ではピーマンのように中空である。他に、実が細長いイタリアントマトや、実が極めて小ぶりで凹凸の少ないミニトマトがある。葉の形は、ニンジン葉(葉の切れ込みが特に深い)やジャガイモ葉(切れ込みが少なく、浅い)の葉を付ける品種では、トマトと気づかれない事も多い。

海外では多くの品種が赤系トマトであるが、国産の品種は生食用として栽培されるものはピンク系のものが殆どであり、加工用品種、台木用品種やミニトマトに赤系のものが見られる。

世界では、8000種を超える品種があるとされ、日本では農林水産省の品種登録情報ページによれば、120種を超えるトマトが登録されている(2008年5月現在)。これは、野菜類の登録品種数の中でも、目立って多い。一方で一代雑種のF1品種は登録されないことが多く、桃太郎などの有名な品種の登録はない。

果実の大きさによる分類では'''大玉トマト'''、'''中玉トマト'''(ミディトマト)、'''ミニトマト'''に分類される。
大玉トマトの果重は200g以上、ミニトマトの果重は20~30g程度となり、この中間的な果重となるものは中玉トマトと称される。
ただし、栽培方法によって果重は変化し、水を極力与えず高糖度化をはかると大玉の品種も果実が小さくなる。
小さく甘みの強い'''フルーツトマト'''とは、高糖度化をはかったトマトの事であり、品種名を示すものではない。例えばフルーツトマトの代表的なものに高知県高知市一宮(いっく)地区の'''徳谷トマト'''があるが、これは一宮の特に徳谷地区の土壌が塩分を含んでいるために成長が遅く、また小ぶりであるが糖度が高いもの指すが、この地区のトマトはほぼ糖度が6以上あるため該当しないものはあまりない。また、'''塩トマト'''があるが、これは熊本県八代地域の干拓地など塩分の多い土壌で育成されたトマトの内、特別に糖度が高いものを指す。品種は主に「桃太郎」である。ミニトマトの一品種としてパキーノ地方原産のパキーノトマト(チェリートマト)も生産されている。

マイクロトマトと称して流通しているのは''L. pimpinellifolium''であり、''Solanum lycopersicum''(''Lycopersicon esculentum'')とは別種である。
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生産

農林水産省の野菜生産出荷統計によれば、トマトの作付け面積は、1985年ごろから減少傾向にあり、ピーク時の75%程度にまで落ち込んでいる。これは飛躍的な増加を見せた1960年代後半以前のレベル(15,000ヘクタール以下)である。収穫量ベースでも、ピーク時の1980年代の80%程度、7 - 800,000トン程度を推移している。

近年、加工用トマトとミニトマトは、作付面積、収穫量ベースでそれぞれ10%程度を占める。

総務省2000年家計調査によれば1世帯当たりの年間購入量(重量ベース)では、トマトは生鮮野菜類中5位に位置する。これは一般消費者家庭でダイコンジャガイモキャベツタマネギに次いでトマトが多く消費されることを示唆するものだが、出荷量、収穫量ベースで見てもトマトはこれらの野菜に次いで5位を占めている(平成13年野菜生産出荷統計)。

また、家計調査によれば、野菜の主要品目が10年前と比べて軒並み減少または横ばい傾向にある中、ネギと並んで目立った増加を見せている数少ない野菜類のひとつである。
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出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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