ヘビ
'''ヘビ'''(蛇)は、爬虫綱有鱗目ヘビ亜目(Serpentes)に分類される爬虫類の総称。分布
南極大陸を除く全大陸。次のエントリ形態
大きさも最大10mといわれるアミメニシキヘビやオオアナコンダから、10cm程のメクラヘビ類まで、様々な種類がある。なお世界最大の毒蛇は、全長5m以上になるキングコブラとされる。胴と尾の区別は、一般に総排出口から先が尾とされる。無論骨格を見れば胴体と尾の境界はある(胴体には肋骨があるが、尾にはない)。
俗に顎を外して獲物を飲み込むとされるが、実際には顎の関節が2つあり開口角度を大きく取ることができる。また下顎が左右それぞれに分割され靭帯で繋がっており、これにより獲物を咥えながら下顎を動かすことにより獲物を少しずつ呑みこむことができる。
また口内にはヤコブソン器官という嗅覚をつかさどる感覚器を持つ(ヘビ固有の器官ではない)。本科の構成種が舌を頻繁に出し入れするのはこの器官に舌に付着させた匂いの粒子を送っているためである。また一部の種では赤外線(動物の体温)を感じ取る赤外線感知器官(ピット器官)を唇にある鱗(上唇板、下唇鱗)や目と鼻孔の間に持つ。耳孔や鼓膜は退化しているため、地面の振動を下顎で感知する。次のエントリ
進化
一見して分かるとおり本亜目の構成種は四肢が退化している。その他の特徴からトカゲ類から分化したと考えるのが妥当であり、おそらく中生代に水中もしくは地中に進出したトカゲの一群がその祖先となったと思われる。水中や地中で抵抗になる四肢、外界からの音が少ないため耳孔や鼓膜、眼が退化したといわれる。足が無くなる退化はそれほど珍しいものではない。両生類の無足類もまさにそれである。現生のトカゲ類においてもアシナシトカゲやヒレアシトカゲのように足がないかほとんど無いいくつかの群がある。鳥類では例がなく、ほ乳類ではクジラやイルカの後肢が退化している。
四肢に関しては現在もメクラヘビやニシキヘビ科など一部の原始的なヘビに腰帯の痕跡を持つ種類がある。一部のニシキヘビには大腿骨も残っている。なお、肩帯のある種類は現存しない。移動するための四肢を失ったため運動能力が下がるかというとそうではなく、長い全身を利用することでむしろ様々な足場を利用できるようになったともいえる。水槽で飼う場合、ヘビの逃亡を防ぐのはトカゲの逃亡を防ぐよりずっと難しい。
具体的な移動方法としては
体形に合わせて内臓も細長くなっており、2つの肺のうち左肺は退化している。原始的なヘビほど左肺が大きい傾向にある。
視力は人間などに比べると弱く、現存する種にも目が退化したものは多い。立体的な活動を行う樹上棲種においてはこの限りではなく、大型の眼を持ち視覚が発達している種もいる。次のエントリ
毒
ヘビといえば「長い体」の次に「毒」が連想されるが「全てのヘビが攻撃的で毒を持ち、咬まれたら死ぬ」わけではない。有毒な爬虫類の99%以上はヘビが占めているとされてきたが(ヘビ以外にはドクトカゲ科2種のみとされてきた)、それでも全世界に3000種類ほどいるヘビのうち、実際に毒をもつものは25%ほどである。このうち人命を奪う程の強毒種となるとさらに少数になる。威嚇もなく咬みつく攻撃的で危険な毒蛇もいれば、咬みつく前に威嚇を行なうヘビもいる。ヘビが威嚇を行った際は、大きな動作をせず速やかに離れれば、ヘビ自身もリスクを犯してまで追いかけることはせず、咬まれることはない。これはほとんどの生物に共通したことである。毒蛇は上顎にある2本の毒牙の根もとに毒腺があり、毒液を分泌する。クサリヘビ科の種では牙の中は注射器のように管状で毒牙の先に毒液を出す穴がある。コブラ科では牙が管状ではなくその表面に毒液が毛細管現象で流れる溝がある種が多いが、毒牙がほぼ管状になっている種もある。従って、この二者を明確に分けるのは毒牙が管状か否かではなく、毒牙が折り畳み式か否かであり、前者を「管牙類」、後者を「前牙類」と呼ぶ。
なかには口を開けて毒牙から毒液を噴射するクロクビコブラやドクハキコブラのような種類もいる(両者の毒牙は牙前方中ほどに毒腺の穴があいており、2mほど先の標的に正確に毒液を命中させることができる)。日本にも分布するヤマカガシの仲間はアオダイショウなどと同じナミヘビ科だが、上あごの奥の牙と首筋の皮膚の2ヶ所から毒を分泌する。これらの仲間は無毒とされてきたが最近になって毒ヘビとして認識されるようになった。実際に日本で人が死亡した例もある。ナミヘビ科の有毒種は毒牙の位置から「後牙類」と呼ばれる。
最も強い毒をもつのは海蛇で、中でも、インドネシアからニューギニアにかけての海域に生息するベルチャーウミヘビが最強とされる。陸生のうち最強の毒をもつのは、オーストラリアに生息する'''ナイリクタイパン'''である。が、人が咬まれた例はない。その他、非常に攻撃的なタイパンやアフリカ最強の毒蛇であるブラックマンバ、タイガースネーク、キングコブラ、アマガサヘビなど。
「頭が三角形のヘビは毒蛇」といわれるが、実はそうではないヘビも結構いる。確かに毒を持つクサリヘビ科のヘビ、ハブやマムシは、頭が三角形のような形。ほかのクサリヘビ科のヘビも三角形のような形である。だが、コブラ科のナイリクタイパン、ブラックマンバ等の頭は、三角形というよりは、いわゆる「蛇の頭」形。日本に生息する猛毒を持つナミヘビ科の、ヤマカガシも頭は三角形ではない。また、日本の、毒を持たないヘビ、アオダイショウやシマヘビは、毒の代わりに威嚇するため、頭が三角形に広がることがある。
また、無毒のヘビであっても咬まれれば唾液に含まれる細菌等の影響で感染症を起こす事がある。さらにこれらのヘビの歯は、咥えた獲物を逃さないよう先端が内側(喉)に向かって曲がっている上に細いため、無理矢理引き剥がすと皮膚に食い込んだまま折れてしまう危険がある。
クサリヘビ科に代表される「出血毒」は、消化液(唾液)が変化したもので体の各部に皮下出血を起こし、組織を破壊されて死に至る。これは蛋白質が消化されたために起こる症状である。
コブラ科の構成種に主に見られる「神経毒」は文字通り中枢神経を冒して、咬んだ動物を麻痺状態にし、その間に獲物を捕食する。強毒種では出血毒と神経毒の両方の作用がある。毒ヘビに咬まれたときは血清による治療をうける必要がある。次のエントリ
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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