メインフレーム
'''メインフレーム'''()は、企業の基幹業務などに利用される大規模なコンピュータを指す用語である。'''汎用コンピュータ'''、'''汎用機'''、'''汎用大型コンピュータ'''、'''大型汎用コンピュータ'''、'''ホストコンピュータ''' などとも呼ばれる。概要
メインフレームは、企業の基幹業務用などに利用される大規模なコンピュータを指す用語である。メインフレームの明確な定義は存在せず、複数のコンピュータ・アーキテクチャのコンピュータの総称であり、観点により複数の呼称がある(''詳細は「呼称」を参照'')。通常は、大企業や大組織向けの信頼性・安定性・容量や、シリーズ間の互換性を保持し、ミニコンピュータやオフィスコンピュータより大型で、特定用途のスーパーコンピュータ・組み込みコンピュータなどと異なり汎用性があり、オープンシステムと異なり各メーカーによる独自設計の比率が高い。
世界初のメインフレームは、世界初の商用コンピュータである1951年の'''UNIVAC I'''とされる。また1964年のIBM '''System/360'''はアーキテクチャ(命令セットアーキテクチャとチャネル制御言語)を統一して「汎用コンピュータファミリ」との概念が確立され、以後のメインフレームの主流となった。
オペレーティングシステム、マルチタスク、仮想記憶、仮想機械、キャッシュメモリ、分岐予測、ハードディスク、フロッピーディスク、データベース管理システム、オンラインシステムなどの技術はメインフレームから生まれ、後に他のコンピュータにも採用されていった。
メインフレームは1980年代迄は全盛期であったが、1990年代にはオープンシステムの台頭によるダウンサイジングの波により「レガシー(過去の負の遺産)」「滅びゆく恐竜」とも呼ばれた。しかし長年の設計・運用を含めた信頼性と、一部メインフレームでの各種のオープン標準の取り入れ、2000年代以降のインターネットに代表される新しい集中処理などの潮流もあり、2011年現在でも基幹業務用に使用されている。なお日本は世界有数の「メインフレーム大国」とも呼ばれている。オープンシステムと競争しながらも、オープンシステムとの組み合わせが行われている。
現在もメインフレームを製造・販売しているメーカーは、IBM、富士通、日立製作所、日本電気、Bull、ユニシスである(''詳細は「種類」を参照)。次のエントリ
呼称
メインフレームは複数のアーキテクチャのコンピュータを世代・用途・規模などで分類した用語のため、趣旨や経緯により以下のように多数の呼称がある。また1990年代以降は一部のメインフレームではオープンシステム対応が進み、各呼称の表す内容も変化がみられる。日本では従来はマスコミ・政府(通商産業省、経済産業省)・JISの文献では「汎用コンピュータ」や「汎用機」が広く使用されたが、2000年以降は「メインフレーム」が増加傾向にある。
メーカーでは、現在は主に以下を使用している。
誕生(1950年代 - )
1950年に世界最初の商用コンピュータUNIVAC Iが登場した。企業など大規模組織の基幹業務での使用に耐えるように、次第に以下の特徴を持った。いくつものメーカーが1950年代から1970年代にかけて大型コンピュータ(メインフレーム)を製造していた。その「栄光の日々」には、彼らを「IBMと7人の小人たち」と呼んだ。その7人とは、バロース、CDC、GE、ハネウェル、NCR、RCA、UNIVACである。
IBMは現在、1952年のIBM 701以降をメインフレームと呼んでいる。IBMは1964年にSystem/360シリーズを発売して大成功を収め、System/360で集大成された以下の特徴の多くは、その後の各社メインフレームの特徴ともなった。
ただし正確には、10進数演算と浮動小数点数演算の搭載(商用初の汎用機)や、ファームウェアによる互換性の確保(商用初のエミュレーション)は、1958年のIBM 709が先である。
アーキテクチャの統一と上位互換の維持により、System/360系がメインフレームの主流となる一方、IBM互換の周辺機器メーカーや、更にはメインフレーム本体の互換メーカーの台頭を招いた。System/360の基本アーキテクチャは、現在のSystem zシリーズにも受け継がれており、System/360用の24ビットのコード(実行モジュール)は、最新のSystem zハードウェア上でも修正せずに動作させる事ができる(バイナリ互換、ファームウェアを中心とした仮想化)。次のエントリ
全盛期( - 1980年代)
IBMの競合会社は次々とコンピュータ事業の撤退・縮小に追い込まれたため、IBMは司法省と独占禁止法訴訟を続ける事になる。IBMは当初「顧客に製品ではなくソリューション(サービス)を提供する」ためにレンタルのみでの提供を行っていたが、独占禁止法の訴訟を緩和するため、OS(MVSなど)の有料化、更にはリース・買取政策を進めていく。またSystem/360後継のSystem/370、更には 1981年のSystem/370-XA (eXtended Architecture) では、主要機能を著作権で保護したため、IBMへの独占批判は強まった。
「7人の小人」からGEとRCAが脱落すると、"The BUNCH"(束)と呼ばれるようになった (Burroughs、UNIVAC、NCR、CDC、Honeywell)。また、System/360を開発したアムダールは、IBMを退職して富士通の援助も受け、IBM互換機(System/370 プラグコンパチブル)を開発するようになる(IBMのオペレーティングシステムを動かすため、ハードウェア互換と呼ばれる)。
米国以外で特筆すべき製造業者としては、ドイツのシーメンスとテレフンケン、イギリスのICL(現: Fujitsu Services Holdings PLC)、ソビエト連邦などのIBM互換機がある。
競争の激化に伴って1980年代初頭から市場の再編成が始まった。RCAはUNIVACに売却され、GEは撤退、ハネウェルはフランスのBullに売却された。1986年、UNIVACはバロースと合併してUnisys Corporationとなった。1991年、AT&TはNCRを実質的に所有することとなった。
1981年にはレーガン政権のもと、米国司法省がIBM独禁法裁判を断念し起訴を取り下げた。次のエントリ
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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