台湾
'''台湾'''(たいわん、、台: ダイワン、)は、アジア大陸の東南沿海、太平洋の西岸に位置する島嶼である。別称または美称として'''フォルモサ'''(Formosa, 美麗島)がある。また台湾という呼称にはいくつかの使われ方があり、その歴史や政治状況を反映して、広義には地域または政治実体としての呼称としても用いられる岩波『現代中国辞典』。オランダ統治時代、鄭氏政権時代、清朝統治時代、日本統治時代を経て、1945年10月25日以後は中華民国政府が実効支配している。
1945年10月15日に、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が発した一般命令第1号に基いて、中華民国国民党政府が台湾へ進駐し始め、その後中国大陸での国共内戦後、共産党に敗れた国民党が政府機能を全面的に台湾に移転した。1949年10月1日に共産党が中華人民共和国を樹立して以降は、2つの中国を識別するため、中華民国の通称としても用いられている。現在も中華民国政府と中華人民共和国政府の双方で係争中(台湾独立運動)である。
繁体字を標準字体とする台湾では「臺灣」が正式な表記であるが、一般的には簡略化した「台灣」の表記が使用されている。
この項目では、地理内容以外に、1945年以後の広義の台湾についても記載する。
定義
● 地域としての台湾1885年に清朝が新設した台湾省に属していた地域を指しており、具体的には台湾本島、付属島嶼、及び澎湖諸島から範囲が構成されている。
台湾は、台湾本土とその周辺諸島(澎湖諸島・蘭嶼など)、及び金馬地区と東沙諸島・南沙諸島から構成されており、面積は約3万5980km²と九州程度(日本の約10分の1)の大きさである。
● 政治としての台湾
中華民国の政府が実効的に支配している全地域を指しており、具体的には台湾本島、付属島嶼、澎湖諸島に福建省沿岸の馬祖列島・烏坵島・金門島、及びに東沙諸島と南沙諸島の一部(太平島、中洲島)を加えた範囲から構成されている。公式には「中華民国自由地区(台湾地区)」。この範囲は、国民政府が1955年に浙江省大陳列島の領有権を喪失したことで確定した。なお、福建省沿岸にある諸島を台湾、澎湖と区別して'''金馬地区'''(金門島と馬祖列島の頭文字に由来)と呼称することもある。
これは、国共内戦を経て1949年に共産党が中華人民共和国が成立した後に発生した地域概念である。清朝滅亡後、「中国を統治する唯一の合法(正統)な国家」は中華民国のみであったが、中華人民共和国の樹立後、中国(CHINA)を宣言する2つの政府が並立し、それぞれ台湾に対する権利を主張する事態となった。
その後、冷戦下における微妙な軍事・政治バランスの中、1971年に国際連合で中華民国が脱退し、中華人民共和国が「中国」の代表権を取得してからは多くの国が中華人民共和国を「正統な中国政府」として承認した。それ以降も国民党政府との非公式な関係維持を望むアメリカ合衆国や日本国などの多くの国では、中華人民共和国とは切り離して扱い、国民党が政治的に実効支配している地域を「台湾」と呼び、識別している。次のエントリ
名称の変遷
台湾島は、東シナ海上にある島として古くから中原人にその存在が認識されていた。『漢書地理志』の中に「会稽海外有東鯷人、分為二十余国、以歳時来献見...」との記載があり、一部の学者は''''''とは台湾を指す名称であると主張している。しかし漢代の中心地は中原河洛HoLoh地區と呼ばれる、長安及び洛陽を中心とする地域であり、福建省や広東省の沿岸地帯に至ることは非常に稀であり、その東岸にある島嶼を正確に記録したとは考えにくく、東鯷とは海上の島嶼群を漠然と示した名称であると考えられ、台湾の呼称と即断することは困難である。東鯷の中に台湾も包括されていたと考えるべきであろう。時代は下り三国時代の『臨海水土志』の中に「夷州在浙江臨海郡的東南、離郡二千里、土地無霜雪、草木不枯、四面皆山、衆山夷所居。山頂有越王射的正白、乃是石也。」及び「部落間互不相属、各号為王、分割土地...」という記載があり、この場合の'''夷州'''は台湾を指すものと考えられる。しかし孫権伝説の中に、「夷州亶州在海中、長老伝言、秦始皇遣方士徐福将男童女数千人入海、求蓬莱及仙薬…」という記載もあり、地名としての夷州が台湾を指す言葉として確定してはいなかったとも思われる。しかし、『臨海水土志』には別に、
夷洲在臨海東南、去郡二千里。土地無霜雪、草木不死。四面是山谿。人皆穿耳、女人不穿耳。土地饒沃、既生五穀。又多魚肉。有犬、尾短如麕尾状。此夷舅姑子婦臥息。共一大牀、略不相避。地有銅鐵、唯用鹿格爲矛以戰闘、摩礪青石以作(弓)矢鏃。取生魚肉雜貯大瓦器中、以鹽鹵之、歴月所日、乃啖食之、以爲上肴
という記述もあり、このような土地はあらゆる意味で台湾島の特徴に合致し、またそれ以外でこのような地域を中国南部の沿岸の島嶼に見い出すことは困難であり、台湾が少なくともこの時代には中国文明の認識する範囲に含まれていたことは明らかであると言える。
隋王朝の603年に書かれた文献には、台湾への探検の記録が記載されている。だが、当時の中国の文献において、台湾は'''琉球'''、'''留仇'''、''''''、'''琉求'''、'''瑠球'''と呼ばれていた。その後隋末から宋までの600年間、中国の文献の中で台湾の記事が出現しない空白期間を迎える。元代になると再び記録に台湾が出現するようになる。明代の記録である『東西洋考』、『閩書』、『世法録』では台湾を'''東蕃'''、と呼んでいる。周嬰在が表した『東蕃記』では'''台員'''、何喬遠が表した『閩書島夷誌』では'''大員'''、張燮の『東西洋考』では'''大円'''、何喬遠の『鏡山全集』では'''台湾'''、沈鉄的奏折の中では'''大湾'''のように様々な呼称が与えられている。また福建沿岸の民衆は台湾南部を''''''、中原の漢族は台湾北部を'''小琉球'''と呼んでいる。
明王朝の太祖・朱元璋の時代になると、'''琉球'''という呼称は沖縄・台湾双方を指す語として使われ続けたため、両者の区別に混乱が生じ、沖縄を'''大琉球'''、台湾を'''小琉球'''と呼ばれるようになるが、その後名称に混乱が生じ、'''小東島'''、'''小琉球'''、''''''、'''北港'''、'''東番'''のような名称が与えられていた。明末に鄭成功が台湾に建てた鄭氏政権時代になると、鄭氏政権は台湾を「東都」、「東寧」などと呼ぶようになった。なお、「大員DaiUan/ダイワン」の呼称が用いられるようになると、いつしか台湾近くにある琉球嶼(屏東県琉球郷)を指して「小琉球」と呼ばれるようになり、台湾と琉球嶼との間で両者の区別に混乱が生じている例もある。
このような名称の変遷を経て、台湾が'''台湾'''と呼称されるようになったのは清朝が台湾を統治し始めてからのことである。ただし、'''台湾'''の語源は不明確で、原住民の言語の「Tayouan(ダイオワン)」(来訪者の意)という言葉の音訳とも、また、「海に近い土地」という意味の「Tai-Vaong」や「牛皮の土地」という意味の「Tai-oan」などの言葉に由来するとも言われる。大員(現・台南)が ダイワンと呼ばれており、そこにオランダ人が最初に入植したためとも見られている。いずれにしても原住民の言葉が起源と見られ、漢語には由来していない。次のエントリ
別称の由来
台湾島には、'''フォルモサ''' (Formosa) という別称が存在し、欧米諸国を中心に今日も使用される場合がある。これは、「美しい」という意味のポルトガル語が原義であり、16世紀半ばに初めて台湾沖を通航したポルトガル船のオランダ人航海士が、その美しさに感動して「Ilha Formosa(美しい島)」と呼んだことに由来するといわれている。なお、フォルモサの中国語意訳である'''美麗(之)島'''や音訳である'''福爾摩沙'''を台湾の別称として用いることもある。ちなみに、日本では'''高山国'''(こうざんこく)または'''高砂'''(たかさご)、'''高砂国'''(たかさごこく)と呼んだ。高山国や高砂などは「'''タカサグン'''」からの転訛という。これは、商船の出入した西南岸の「打狗山」(現・高雄)がなまったものと思われる。正式の使節ではないが、タイオワン事件に関して、原住民が「高山国からの使節」として江戸幕府3代将軍徳川家光に拝謁したこともある。次のエントリ
地理
台湾北東部は日本の琉球諸島の西方海上に位置しており、最も近い与那国島との距離は110km以下である。また、台湾地域西端の金馬地区は台湾海峡を隔てて中国と接しており、最南端の岬である鵝鑾鼻(がらんび)は、バシー海峡を隔ててフィリピンと接している。台湾最大の島である台湾島は、南北の最長距離が約394km、東西の最長距離が約144kmで木の葉のような形をしている。島の西部は平野、中央と東部は山地に大別されるが、島をほぼ南北に縦走する5つの山脈(中央山脈、玉山山脈、雪山山脈、阿里山山脈、海岸山脈)が島の総面積の半分近くを占めており、耕作可能地は島の約30%にすぎない。台湾最高峰の山は玉山山脈の玉山(旧日本名:新高山、海抜3952m)であり、富士山よりも高く、同様に雪山など標高3000mを超える高山が多数連なっている。また、このほかの重要な地勢としては丘陵、台地、高台、盆地などが挙げられる。
なお、台湾はフィリピン海プレートとユーラシアプレートの交差部に位置するため、日本と同様に地震活動が活発な地域である。また日本と同じ火山帯に属し、温泉も豊富にある。次のエントリ
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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