報道倫理

報道倫理

'''報道倫理'''(ほうどうりんり)あるいはジャーナリズム倫理は、報道の組織・活動に関する倫理的規範である。
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報道倫理
【画像】設置された報道倫理に関する

概説

報道の自由言論の自由を含む、政府からの表現の自由民主主義の基本原則の一つであり、近代憲法の中で共通の権利として保障されているフランス人権宣言11 条、アメリカ合衆国憲法修正第1条日本国憲法第21条(英訳は「press」だが、日本語文では「出版」)、ドイツ基本法5条にプレスの自由に関する規定がある

このように民主主義国では、政府の干渉からプレスの自由は強く守られているが、記事を入手するために記者がやってよいことには道義的制約が課せられている。プレスの自由の原則から、表現や報道の規制はできる限り法律ではなく、ジャーナリストが自主的に決めた倫理基準によって行われるべきだと考えられている。また、ジャーナリズムの主要な役割に「権力の監視」があり、監視の対象である国家権力にルールの制定・運用を委ねることは不適切でもある。
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【画像】問われる報道倫理!

倫理規定

欧米や日本、その他の民主主義国では、価値基準と原則を明確にして道徳的良心を強化すると共に、国の介入を防ぐために、業界で統一した倫理規定を自主的に設けている。倫理規定は記者自身、または報道機関のオーナーによって作られている。倫理規定は倫理的ジレンマに陥った際や、利害相反、困難に陥った際などに、記者の判断を助ける指針になる。しかし、規定の内容はあいまいであるために、記者編集者は規定のほか、常識や道徳に基づいて行動する。次のエントリ[ 報道倫理とされる主な内容 ]
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【画像】の報道倫理に関する調査
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【画像】が研究倫理、発表・報道倫理

報道倫理とされる主な内容

ジャーナリストの国際組織である国際ジャーナリスト連盟が1954年に採択した「ジャーナリストの義務に関するボルドー宣言」www.ifj.org/en/articles/status-of-journalists-and-journalism-ethics-ifj-principlesでは、ジャーナリストが守るべき義務として、真実の尊重、論評の自由、正確性、情報源の秘匿、盗用中傷名誉毀損・報道に関する金銭の授受の排除を挙げる一方、各国の法を認めつつも、職業上の事柄に関して、政府その他の圧力を排除し職業人としての規制のみ受け入れることを求めている。

また、世界各国で制定されている報道に関する倫理規定では、真実や正確性の尊重全米編集者協会原理声明(以下「米」)4章、全英ジャーナリスト連合倫理綱領(以下「英」)3条、ドイツ・出版のための基本条件(以下「独」)1条、日本新聞協会新聞倫理綱領(以下「日」)「自由と責任」、フランス・ジャーナリストの職業義務に関する憲章(以下「仏」)に規定、プレスの自由米2章、英2条、独前文、日「自由と責任」に規定、公正な取材米6章、英5条、独4条、仏に規定、情報源の秘匿英7条、独5および6条、仏に規定、公平な報道米5条、英3条、日「正確と公正」に規定、人権の尊重英10条、独12条、日「人権の尊重」に規定が倫理規定に挙げられている。
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報道倫理理論の歴史

●「思想の自由市場」論
出版物の事前検閲が義務付けられていた1640年代のイギリスにおいて、詩人で共和派運動家だったジョン・ミルトンは検閲を激しく批判して言論の自由を主張した「アレオパジティカ」を著した。この中でミルトンは、「公開の場ですべての人が自由に発言すれば、真実で健全な意見は必ず勝ち残り、誤った不健全な意見は敗退する」と論じた。ミルトンによって基礎づけられたこの考え方は「思想の自由市場」論と呼ばれる。19世紀の哲学者ジョン・スチュアート・ミルは「自由論」の中で、「抑圧された見解が真実であれば、真実を知る機会を失う。真実でないとしても真実に対抗させることで真実を際立たせ、真実をはっきり知る機会を失う」として、言論の抑圧は害であると論じた。

●社会的責任理論
しかし、20世紀に入ると、アメリカ合衆国ではイエロー・ジャーナリズムにより、メディアの大規模化、所有の集中化が進み、少数の経営者がメディアの編集権を握ることで、そのほか大勢の市民がメディアで自分の意見を伝えることが難しくなった。また、報道の商業主義化により、報道の歪曲、受け手の市民の権利侵害など、表現の自由と市民の利害が必ずしも一致しなくなった。こうした状況にあって、シカゴ大学総長のロバート・ハッチンスが委員長となり、1942年に設置された「プレスの自由委員会」は、1947年に報告書「自由で責任あるプレス」を公表した。この報告書は、プレスについて、「自由であるが、その自由は市民の権利と公共的関心を組み込んでいる場合」に限られるとした。その上で、プレスは'''1.真実の報道、2.公共的討議の場の提供、3.社会各集団のイメージを映し出す、4.社会の目標や価値を示す、5.情報を十分に提供する、5点を実現する社会的責務'''があり、これら大衆の要求に応えているかについて説明する責任があるとし、プレスの社会的責任を強く求めた。プレスの自由とは、単なる政府の干渉からの自由ではなく、社会への責任と義務を伴った自由であることを打ち出したこの考え方は「プレスの社会的責任理論」と称されている。行政や司法など、国家権力の介入を最小限にとどめつつ、市民との紛争を解決するためにメディアの自主的規制の導入を勧告した社会的責任理論に基づき、欧米ではプレスに対する苦情申立機関が設立された。

●メディア責任システム
フランスのクロード・ジャン・ベルトランは、社会的責任理論を発展させた「'''メディア責任システム'''(メディア・アカウンタビリティ制度、MAS)」を提唱している。メディア責任システム論は、国家の規制にも、ジャーナリストの道徳心にも依存せず、メディアの倫理を維持する方法として、メディアの倫理的意志決定過程の一部を外部に開放する、という考え方である。メディア責任システム論には、公開で議論し、判断を蓄積することで、倫理的基準が示される利点があり、1990年代後半以降に、日本でメディア倫理の審査を行う第三者機関が設置された際の基礎理論となっている。
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出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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