日本アカデミー賞

日本アカデミー賞

'''日本アカデミー賞'''(にっぽんアカデミーしょう)とは日本アカデミー賞協会が主催する日本映画賞である。

テレビの普及によって1950年代後半以降、観客減少に悩まされた映画関係者らが邦画界の活性化のためアメリカ合衆国アカデミー賞を模し、その「暖簾分け」という形で設立し1978年(昭和53年)に初開催された(対象年は1977年(昭和52年))。

創設の数年前から松竹城戸四郎会長らがその種のイベント開催を模索していたが、資金面での見通しが立たず難航。その後、電通が音頭を取り放送局に日本テレビを斡旋。東映社長・岡田茂を中心に邦画大手4社と業界関係者らの協力により、3か月間で第1回開催にこぎつけた。

運営費の主要財源は、各映画会社の分担金や授賞式の放映権料である。同趣旨の映画賞に、英国アカデミー賞がある。フランスセザール賞もアカデミー賞を参考に創設されたものだが、「暖簾分け」の形式は採っていない。

日本アカデミー賞は国内の他の多くの映画賞とは異なり、作品賞・監督賞・脚本賞・俳優賞のみならず技術部門賞も設けている。
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日本アカデミー賞
【画像】第34回日本アカデミー賞授賞式

賞の概要

賞の選出は、日本アカデミー賞協会会員の投票によって行われる。日本アカデミー賞協会は、日本国内の映画関係者によって構成される。会員は主要映画館でのフリーパスの特権が与えられている。会員は1980年(昭和55年)12月末時点で約1200人だったが、2007年(平成19年)時点では4000~5000人に達している。

選考の対象となる作品は、授賞式の前々年12月初から前年11月末までの1年間に東京都内で公開された映画。かつては、授賞式の前年の1月初から12月末までの1年間に公開された映画を対象とした。しかし、アメリカ合衆国のアカデミー賞授賞式の開催日が、3月・4月頃から2月・3月頃に繰り上げられたため、日本アカデミー賞授賞式も開催時期を3月・4月頃から2月・3月頃に早め、それに伴い対象となる作品の公開期間も1ヶ月前倒しした。

授与される賞は正賞が15部門あり、その他に新人俳優賞などがある。正賞の優秀賞(ノミネートに当たる)と新人俳優賞は、投票(協会員全員)により選ばれ、そのうち正賞については優秀賞受賞の中より最優秀賞が投票(協会員全員)により選ばれる。

アニメ作品については長らく優秀作品賞にノミネートされることはなかったが、1998年(平成10年)の『もののけ姫』が初めて最優秀作品賞を受賞した。2007年からは本家のアカデミー賞がアニメ部門を創設したことにならい、独立部門としてアニメーション作品賞が新設された。

!colspan="2"|正賞!!その他の賞
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  • 作品賞

  • 監督賞

  • 脚本賞

  • 主演男優賞

  • 主演女優賞

  • 助演男優賞

  • 助演女優賞

  • 音楽賞

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  • 撮影賞

  • 照明賞

  • 美術賞

  • 録音賞

  • 編集賞

  • 外国作品賞

  • アニメーション作品賞

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  • 新人俳優賞

  • 協会特別賞1

  • 話題賞(作品・俳優)2

  • 会長特別賞

  • 会長功労賞

  • 協会栄誉賞

  • 1正賞以外の賞の中で、協会特別賞のみがブロンズ像が授与される。
    2「オールナイトニッポン話題賞」(『オールナイトニッポン』のリスナーによる投票にて決まる)。
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    日本アカデミー賞
    【画像】日本アカデミー賞 「おくり

    受賞作の傾向

    日本アカデミー賞は、映画業界自身が選出する映画賞としての特別の意義を持つと同時にスタッフ部門賞を設けている映画賞としての希少性も有している。国内の映画賞の中では新しく立ち上げられた映画賞だが授賞式の場で初めて最優秀賞を公表するイベント性を持ち、それを支える主催者の日本アカデミー賞協会の影響力もあって近年映画業界においてその地位を向上させつつある。

    しかし、賞を選出する日本アカデミー賞協会は映画監督や俳優といった人々も含むもののその3割が日本映画製作者連盟(映連)加盟会社、すなわち松竹東宝東映角川映画の4社とその系列企業社員により構成されている。そのため優秀賞を選ぶ時点で上記4社の製作あるいは配給した作品が有利になり、他の映画会社の配給作品が選ばれるチャンスが低いとされている。

    また、約4000人のアカデミー会員が主要な作品の全てを観賞するのは困難である。それゆえ少数の選考委員による審査方式の映画賞と違い、一定以上の興行収入を残していないことにはそもそも会員による評価の対象にすらならないと考えられる。よって単館系公開など、小規模上映の作品は不遇を強いられることになる。

    これらの結果、実績が大きく認知度の高い監督やその作品、俳優らに受賞が偏重する大衆的な支持を集めると同時に内容上も高評価を残した作品が主要部門賞を独占するといった傾向が強い。
    次のエントリ[ 授賞式の放送 ]
    日本アカデミー賞
    【画像】第31回日本アカデミー賞の授賞
    日本アカデミー賞
    【画像】第33回日本アカデミー賞は『劔岳

    授賞式の放送

    日本アカデミー賞は、放映権を有する日本テレビが第1回(1978年(昭和53年))から一貫してその模様を中継している。当初は地上波で生中継していたが、その後、録画と生放送の組み合わせによる放送となっている。

    また第3回(1980年(昭和55年))の「オールナイトニッポン話題賞」の設立後は、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)が特別番組を組んで授賞式の模様を深夜に録音で中継している。

    それから日本テレビ系以外の他系列局に対しては特に取材規制を行なっていないようで、翌朝放送される各局の情報番組の芸能コーナーでも普通に授賞式の映像が使用されている。ただその中では言うまでもなく日テレ系『ズームイン!!サタデー』での扱いが最も大きい。
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    エピソード

  • 第2回(1979年(昭和54年)) 第1回で高額だと一部で批判も出た4万円のパーティー入場券を8000円に大幅値下げ。

  • 第4回(1981年(昭和56年)) 黒澤明が『影武者』(1980年(昭和55年))での優秀賞受賞を「権威のない賞は認められない」(表向きの理由は「スケジュールの都合」)として辞退、同作品の出演俳優、スタッフもその意向を尊重して全員ノミネート辞退。授賞式司会の山城新伍がその対応を「すでに権威がある賞は受け取るくせに、これから映画人が育てていこうとしている賞は『権威が無いからいらない』なんて言う人物が受賞しなくてよかった」と批判。最優秀作品賞は製作・配給が独立系の『ツィゴイネルワイゼン』が受賞した。

  • 第8回(1985年(昭和60年)) 独立系製作の『お葬式』(配給:ATG 日本アート・シアター・ギルド)が最優秀作品賞受賞。

  • 第14回(1991年(平成3年)) 第4回で『影武者』でのノミネートを辞退した黒澤明が、『』での作品賞・監督賞ノミネートを受諾したものの無冠に終わる。

  • 第19回(1996年(平成8年)) 独立系製作の『午後の遺言状』(配給:日本ヘラルド映画)が最優秀作品賞受賞。

  • 第20回(1997年(平成9年)) 『Shall we ダンス?』が史上最多の13冠を獲得。

  • 第21回(1998年(平成10年)) 『もののけ姫』がアニメとして初めて作品賞にノミネートされ、最優秀作品賞に。

  • 第25回(2002年(平成14年))高倉健が『ホタル』での優秀主演男優賞を、「後輩の俳優に道を譲りたい」として辞退。

  • 第28回(2005年(平成17年))『世界の中心で、愛をさけぶ』出演の長澤まさみが、すべての部門中で史上最年少となる17歳での最優秀助演女優賞受賞。

  • 第30回(2007年(平成19年))『武士の一分』の木村拓哉が、「優秀賞のほかの皆さんと最優秀賞を競わせたくない」とのジャニーズ事務所の意向により優秀主演男優賞を辞退(明白な理由によるノミネート辞退は史上初)。また『フラガール』(製作・配給:シネカノン)が製作・配給とも独立系としては『ツィゴイネルワイゼン』(第4回)以来の最優秀作品賞を受賞した。

  • 第33回(2010年(平成22年))鳩山由紀夫内閣総理大臣が現役総理として初めて授賞式に出席。最優秀作品賞を受賞した『沈まぬ太陽』と同作品のモデルとなった日本航空の経営再建問題を絡めたスピーチを行った。
  • 次のエントリ[ 関連項目 ]

    出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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