暗殺

暗殺

'''暗殺'''(あんさつ)とは、主に政治的、宗教的または実利的な理由により、要人殺害を密かに計画・立案し、不意打ちを狙って実行する殺人行為のこと。

見せしめや弾圧、粛清の一種としても存在する。
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暗殺
【画像】『大統領暗殺』

概説

通常は、一般市民がこれを行なえば「違法な行為である」とされているが、国家自体が特殊部隊諜報機関工作員などに暗殺を命じ、実行する例も多い。独裁体制国、またアメリカ合衆国ロシア連邦中華人民共和国は、常にそのうわさが絶えない国である。さらに、イスラエルは暗殺の手段を選ばない上に合法化まで打ち出している。


強権政治を行う国家が行なう暗殺は、権力者側によりそう視点では、反対派・反体制派に対する弾圧・粛清的な面が強いという。

歴史的に見ると、横暴・強権的な権力者、国家元首、皇帝などに対して暗殺が計画されてきた事例は枚挙にいとまがない。
古代ローマカエサル暗殺、ナポレオン暗殺未遂事件、第二次世界大戦中のヒトラー暗殺計画のように、独裁者・暴君・犯罪者を政治的・宗教的あるいは人々の幸福、という理由から殺すことへの可否は、暴君放伐論(モナルコマキ)としてヨーロッパ政治思想のひとつとして論争が続けられてきた。

権力者に対する暗殺というのは、(ヒトラー暗殺計画、ナポレオン暗殺計画、カエサル暗殺計画のように、純粋に)特定人物をこの世に存在しなくさせること、何らかの具体的な行動を完全に阻止すること、その人物の影響力を完全に排除したりすることが、基本である。

なお、暗殺時には、暗殺を行なったという証拠を残さないようにし、「ひき逃げ」などの「事故」や「自殺」に偽装することで警察などの捜査機関を欺いたり、または「薬殺」で「病死」を偽装することもあるとされており、このような偽装は工作員が基礎訓練期間中に読むマニュアル等にもごく普通に書かれている基本的な方法論だという。

そのため、権力を争っている要人などの事故死や自殺があると、(犯人や黒幕とされている人物を除き)「あれは偽装された暗殺ではないか?」との疑念がつきまとうことになり、あまりに疑わしいと、陰謀の可能性を疑う説を声高に唱える人も出てくる。何かしら証拠が出てくれば暗殺だったと決着もつくが、そのような説が流布したわりに具体的な証拠が出てこないと、「陰謀だとするのは陰謀論だろう」とする説も出てくることがある。

工作機関の工作員などの場合は、そもそも証拠を残さないようにすることを職務としてそのための訓練を受けており、それを完璧に行なうことで収入を得ているのであり、実行時に何かしらミスでもしないかぎり、一般人からすれば、ただの事故死と偽装された暗殺を区別する証拠は存在しない(陰謀と陰謀論を区別するための決定的な証拠は、原則的には残っていない)ということになり、結局、一般人からすれば(犯人とされている人物以外にとっては)どれだけ議論しても、本当に暗殺(陰謀)なのか、暗殺ではなく単なる濡れ衣(陰謀論)なのかは、基本的に結論がでない、決定できない、いわゆる「宙ぶらりん」の状態に置かれる構造になっている。あるいは暗殺が行なわれたことは確かだと判明した場合でも、その犯人や黒幕は一体誰なのかということがいつまでも判明しない、ということもしばしば起きる。
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【画像】は暗殺されたのではないか?

暗殺未遂事件の一覧

  • 紀元前685年 - 管仲桓公暗殺未遂。

  • 紀元前450年頃 - 豫譲による二度の趙襄子(趙無恤)暗殺未遂。

  • 紀元前227年 - 荊軻による始皇帝暗殺未遂。

  • 紀元前218年 - 張良博浪沙で始皇帝暗殺未遂。

  • 622年 - ムハンマド暗殺未遂事件。

  • 1185年(文治元年10月) - 土佐坊昌俊源頼朝の命により、その弟・源義経を襲撃。

  • 1478年4月26日 - パッツィ家の陰謀メディチ家の転覆を狙い、フィレンツェ貴族パッツィ家が起した事件。大聖堂でミサの最中に襲われロレンツォ・デ・メディチは傷を負いながらも難を逃れたが、弟のジュリアーノは凶刃に倒れた。この事件の影には、ローマ教皇シクストゥス4世との関係悪化があり、その後の教皇国ナポリ王国との戦争に発展した。

  • 1570年6月22日(元亀元年5月19日) - 織田信長が甲津畑で狙撃される。犯人は六角義賢の配下杉谷善住坊(3年後に鋸挽きの刑に処せられる)。

  • 1590年(天正18年) - 義姫(保春院)による実子・伊達政宗毒殺未遂事件。但し当時代の根本史料による裏付けはなく、代わりに事件直後も良好な母子仲をうかがわせる史料があることから事件の存在自体を疑問視する説もある。

  • 1605年11月15日 - イングランド王ジェームズ1世爆殺未遂(火薬陰謀事件)。犯人はロバート・ケイツビーガイ・フォークスらカトリック過激派。

  • 1800年12月24日(19時15分) - ナポレオン爆破暗殺未遂。爆弾テロにより8人即死、負傷28人、家屋46戸損壊。通称「地獄の仕掛け事件」(サン・ニケーズ街テロ事件)。ジャコバン派が疑われたが、王党派が黒幕。

  • 1821年5月24日(文政4年4月23日) - 盛岡藩士下斗米秀之進(変名:相馬大作)による弘前藩津軽寧親暗殺未遂事件(相馬大作事件

  • 1862年2月13日(文久2年1月15日) - 老中安藤信正暗殺未遂事件(坂下門外の変)。犯人は尊攘派水戸浪士。

  • 1868年1月1日(慶応3年12月7日) - 紀州藩三浦休太郎海援隊士らに襲われる(天満屋事件)。新選組が護衛についており、襲撃側1名斬死、新選組2名死亡するも、三浦は無事。

  • 1868年1月12日(慶応3年12月18日) - 二条城から帰還途上の新選組局長・近藤勇が銃撃を受ける。犯人は高台寺党残党の篠原泰之進阿部十郎ら。護衛の隊士2名が斬死。これに先立ち、阿部・佐原太郎内海次郎の3名が近藤妾宅に沖田総司を襲うも、不在。

  • 1868年3月23日(慶応4年2月30日) - イギリス公使ハリー・パークス暗殺未遂事件。犯人は攘夷思想を持つ朝廷御親兵・三枝蓊及び朱雀操。騎兵9名重軽傷。後藤象二郎により朱雀は斬死、三枝は捕縛。

  • 1870年1月21日(明治2年12月20日) - 中弁江藤新平暗殺未遂事件。犯人は佐賀藩下卒6名。

  • 1874年1月14日 - 右大臣岩倉具視暗殺未遂事件(赤坂喰違の変)。犯人は征韓派高知県士族

  • 1882年4月6日 - 板垣退助暗殺未遂事件(岐阜事件)。犯人は相原尚褧(あいはらなおぶみ)。

  • 1889年10月18日 - 外務大臣大隈重信暗殺未遂事件。犯人は玄洋社社員、来島恒喜

  • 1891年5月11日 - ロシア皇太子ニコライ暗殺未遂事件(大津事件)。犯人は滋賀県警巡査津田三蔵

  • 1918年8月30日 - ロシア共産党指導者ウラジーミル・レーニン暗殺未遂事件。

  • 1923年12月27日 - 摂政宮裕仁親王(昭和天皇)暗殺未遂事件(虎ノ門事件)。犯人は共産主義者、難波大助

  • 1930年11月14日 - 濱口雄幸暗殺未遂事件。犯人は佐郷屋留雄。東京駅にて。

  • 1931年10月 - 秘密結社「桜会」によるクーデター未遂事件(十月事件)。首相若槻禮次郎、外相幣原喜重郎らの斬殺を図る。

  • 1932年1月8日 - 昭和天皇暗殺未遂事件(桜田門事件)。犯人は朝鮮人李奉昌


  • 1935年11月1日 - 国民党政府行政院長汪兆銘暗殺未遂事件。抗日テロリストにより銃弾三発を受け重傷。一命をとりとめたものの、44年この時の傷が元で死亡した。

  • 1943年3月13日 - アドルフ・ヒトラー暗殺未遂事件。ドイツ軍参謀本部ヘニング・フォン・トレスコウ少将の伝令将校ファビアン・フォン・シュラーブレンドルフによる爆破暗殺未遂。この頃からヒトラー暗殺計画は進行する。

  • 1944年7月20日 - ヒトラー暗殺未遂事件。首謀者はドイツ陸軍のクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐。エルヴィン・ロンメル元帥も関わったとされ、自殺を強要されている。直後にヒトラーの追及が始り、多くの将官・将校が処刑された。

  • 1959年12月~70年 - キューバ フィデル・カストロ革命評議会議長暗殺未遂事件(ブルータス作戦、パティー作戦、リボリオ作戦、AM-LASH作戦)。CIAが政権転覆を狙う。

  • 1968年1月21日 - 朴正煕韓国大統領暗殺未遂(青瓦台襲撃未遂事件)。北朝鮮特殊部隊31名が朴大統領暗殺を企てソウル市内に侵入、銃撃戦により阻止される。

  • 1974年8月15日 - 朴正煕韓国大統領暗殺未遂、夫人死亡(文世光事件)。犯人は在日韓国人文世光

  • 1975年7月17日 - 皇太子夫妻暗殺未遂事件。沖縄・ひめゆりの塔参拝中の明仁親王美智子妃の夫妻に対し、沖縄解放同盟共産主義者同盟(戦旗派)〔西田派〕の活動家が火炎瓶を投擲(ひめゆりの塔事件)。

  • 1981年3月30日 - アメリカ合衆国 ロナルド・レーガン大統領暗殺未遂事件

  • 1981年5月13日 - サン・ピエトロ広場ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が銃撃され、重傷を負ったが奇跡的に回復した。犯人はトルコ人メフメト・アリ・アッカ。

  • 1983年10月9日 - ビルマ(現・ミャンマーラングーンでの全斗煥韓国大統領一行の暗殺未遂事件(ラングーン事件)。閣僚を含め、計25名死亡。北朝鮮工作員の犯行。

  • 1984年5月30日 - ニカラグアのラ・ペンカで元コントラ活動家のエデン・パストラが爆弾テロにより負傷、ジャーナリストら4人が巻き添えで死亡()。1990年のコスタリカ当局の発表では、犯人はCIAの工作員であるフェリペ・ヴィダルとジョン・ハル。1993年の『』紙の反論では、犯人はサンディニスタ政権に雇われたアルゼンチン人のヴィダル・ロベルト・ガギネ。

  • 1990年1月18日 - 本島等長崎市長暗殺未遂事件(長崎市長銃撃事件)。犯人は地元の右翼団体「正気塾」幹部、田尻和美。昭和天皇戦争責任発言をめぐっての犯行。

  • 1991年 - 伊丹十三暗殺未遂事件。ミンボーの女の公開に抗議しての反抗とみられる。

  • 1993年 - 池田大作サリン襲撃未遂事件オウム真理教の犯行。

  • 1994年5月9日 - 弁護士・滝本太郎暗殺未遂事件(滝本弁護士サリン襲撃事件)。オウム真理教の犯行。

  • 1995年 - 漫画家、小林よしのり暗殺未遂事件。オウム真理教に批判的な漫画を描いたことに対する犯行。

  • 1995年3月30日 - 警察庁長官・國松孝次暗殺未遂(國松長官狙撃事件)。未解決。

  • 1995年6月 - エジプトホスニー・ムバーラク大統領暗殺未遂。

  • 1998年9月25日 - カンボジアフン・セン首相暗殺未遂。

  • 2002年9月6日 - アフガニスタン・ハーミド・カルザイ大統領暗殺未遂。

  • 2003年5月30日 - ミャンマーアウンサンスーチー暗殺未遂。

  • 2003年6月10日 - ハマース報道官アブドゥルアズィーズ・アッ=ランティースィーイスラエル軍ヘリの空爆を受けるが軽症で助かる。しかし、翌2004年4月17日に同様の攻撃を受け、殺害。

  • 2003年12月17日 - パキスタンパルヴェーズ・ムシャラフ大統領暗殺未遂。

  • 2003年12月6日 - イラク・連合国暫定当局(CPA)のポール・ブレマー米文民行政官暗殺未遂。

  • 2004年3月19日 - 台湾陳水扁総統が銃撃される。2005年狙撃者が自殺を遂げた。総統選直前から陳が劣勢にあったための自作自演という説が出回っていたが(選挙結果は陳の勝利)、真偽は未だ不明。選挙賭博を行っていた黒金(台湾の政治やくざ)との関係を指摘する声もある。

  • 2004年9月5日 - ウクライナの大統領候補、ヴィクトル・ユシチェンコ氏毒殺未遂事件。単にひどい蕁麻疹が出ただけとも言われていて、本当に毒を盛られたかも不明。

  • 2005年5月10日 - アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領暗殺未遂。グルジア訪問中手投げ弾を投擲されるが不発で未遂に終わる。犯人はグルジア人ウラジーミル・アリュトゥーノフ容疑者。7月20日にグルジア特殊部隊により銃撃戦の末拘束される。

  • 2007年6月21日 - ボリス・ベレゾフスキーの殺害計画で、ロシア人男性が逮捕される。プーチン政権によるものと疑われているが、詳細不明。

  • 2008年8月27日 - バラク・オバマ暗殺計画が発覚。白人至上主義者がアルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局に逮捕される。

  • 2008年11月18日 - 元厚生事務次官宅連続襲撃事件
  • 次のエントリ[ 国家による暗殺 ]
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    【画像】ブット氏暗殺を知った支持者
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    【画像】「声無き暗殺者」と呼ばれている

    国家による暗殺

    現代において、国家・組織による暗殺を公に宣言している国・組織と元首。
  • アメリカ合衆国 - ブッシュ大統領イラク戦争に際し、フセイン大統領とその政権幹部に対して)

  • イスラエル - シャロン首相アビ・デヒテル(Avi Dichter)警察相 (パレスチナの過激派組織の幹部に対して。デヒテルは選挙で選ばれたハニーヤ首相も対象に挙げている)
  • 次のエントリ[ 有名な暗殺疑惑 ]

    有名な暗殺疑惑

  • 976年11月14日(開宝9年10月20日) - 皇帝趙匡胤(太祖)。

  • **当時太祖は病床に伏せっていたが、弟である晋王・趙匡義が見舞いに駆けつけるなり太祖の死が公表された。太祖の遺言で晋王は跡を継いで皇帝となったが、太祖には実子がいたために、その遺言や死の経緯に疑義が持たれた。この疑惑は宋朝一代の後も長く囁かれ、千載不決の議と呼ばれる。
  • 1718年11月30日 - スウェーデンカール12世

  • **ノルウェー要塞狙撃されたものの、ノルウェー側の関知しない銃撃であった為。味方からによる狙撃の説もある。また1994年以降、暗殺説が浮上している。しかしながら黒幕が不特定な為、暗殺説否定も根強い。
  • 1946年6月9日 - タイ国王ラーマ8世

  • **宮殿で銃の暴発により死亡とされているが、状況に不明な点が多く、当時の警察が検死結果から他殺説を示唆するなど、暗殺説がある。一説には旧日本軍参謀辻政信が関与していたともいわれるが、当時辻は中国にいたとされ、真相は謎のままである。なお、現在でもタイ国内でこの事件について触れるのはタブー不敬罪にあたる可能性があるとして)となっている。
  • 1996年4月14日 - 相撲界八百長告発した高鐵山孝之進橋本成一郎が、同じ病院で同日に全く同じ病気で死亡したため日本相撲協会の利権関係者による暗殺説が囁かれた。

  • 2001年6月 - ネパール国王ビレンドラ銃殺事件。

  • **宮廷晩餐会の席上、皇太子により銃撃され死亡したとされた(ネパール王族殺害事件)。王位を継承した弟のギャネンドラによるクーデターとの見方がある。
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