木更津キャッツアイ
『'''木更津キャッツアイ'''』(きさらづキャッツアイ)は、TBS系で2002年1月18日から2002年3月15日、毎週金曜22時から1時間放送していた日本のテレビドラマ(金曜ドラマ枠)。全9回。脚本は宮藤官九郎。後に映画化された。映画については別項で詳述。
* 2003年に公開された映画については『'''木更津キャッツアイ 日本シリーズ'''』を参照。
* 2006年に公開された映画については『'''木更津キャッツアイ ワールドシリーズ'''』を参照。
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概要
● ドラマ本作は実験的なドラマでもあった。1話を野球のゲームに例え、表と裏に分け本編ストーリーの裏で何があったかを巻き戻して説明したり、「30P」という特殊カメラを利用したこと、哀川翔や氣志團などを実名の役で登場させるなど、さまざまな工夫を凝らした。ドラマ終了後、DVD販売数が50万セットを超える大ヒット。映画化に繋がった。
また、ドラマ撮影を実際に千葉県木更津市で行ったため、ドラマファンがここを訪れるようになり、木更津市は小さな観光地となっている。放送中からカルト人気は高かったものの、視聴率的には芳しくなかった(全放送回の平均視聴率は10.1%。むしろ深夜の再放送の方が視聴率が良かった)。しかし、独創的な世界観や表現が放送終了後に受けており、今も根強いファンが多い。
● 映画化
2003年には『'''木更津キャッツアイ 日本シリーズ'''』として、映画化もされた。11月1日から渋谷シネマライズ、木更津東映のみ先行公開、11月15日から池袋シネマサンシャイン他全国順次公開され、動員120万人興行収入15億円の大ヒットを記録。先行上映した渋谷シネマライズの劇場前売り10,111枚、劇場初日・2日目動員(2館 6,262人)&日計(2館 8,285,600円)の記録は未だに破られていない。
2006年10月28日に映画版第2弾(完結篇)として『'''木更津キャッツアイ ワールドシリーズ'''』が公開され、物語は完結を迎えた。さらに、同年10月25日には"木更津キャッツアイfeat.MCU"として、CD『シーサイドばいばい』をリリース。
● 背景
ドラマには、評論家・大塚英志が「木更津現象」とも呼ぶ、大都会周縁部の“田舎”で暮らす、あるいは暮らすしかない若者たちの鬱屈した思い、やるせない気分が込められている。
1997年東京湾アクアラインが開通し、都内まで1時間30分程度を要していた木更津市は、川崎市と数10分で結ばれることになった。しかしながら、普通車で通常3000円(開通時は4000円)という高額通行料が妨げとなり、首都圏のベッドタウンとなる行政の思惑ははずれ、他方、休日の買い物客は京浜地区に流出し、木更津駅前の商店街の衰退を招くという皮肉な結果となった(ストロー効果)。
ドラマの登場人物でいえば、主役・ぶっさんは21歳に至るまで木更津を一歩も出たことがなく、モー子は第4話にして初めて渋谷を訪れている。一方で、アニの弟・純、リトル山田ら素質ある野球部の後輩はプロ野球の門戸をたたくことで“陸の孤島”木更津を抜け出ていく。また、キャッツアイ・メンバーで唯一の大学生・バンビは都内の大学に通っている(後に地元エリートとして木更津市役所に就職する)。
このように、学業やスポーツの才ある者は次々と都内へ流出していく中で、停滞・衰退する木更津に取り残された、時にヤンキーとも呼ばれる凡庸な若者たちの劣等感と地元愛、都会へのひそかなあこがれと反発、数少ない風俗店や周囲の異性は幼なじみや顔見知り、誰かの元恋人ばかりという限定状況ゆえに発散しきれない性欲、義侠心と背徳心がちりばめられた、無意味な方言交じりの会話がドラマの魅力となっている。
登場人物たちの泥臭い人物像、会話、エピソードを、都会の視聴者は未知の“おかしみ”と取り、大都会周縁部および地方の視聴者は既知の親近感あるいは一種自虐的な懐旧感を覚えたのが、ドラマヒットの一因と思われる。この種のヒット図式は、ドラマに先行する氣志團と似ており、“大いなる田舎”宮城出身の脚本家・宮藤官九郎の面目躍如たる秀作となっている。
● その他エピソード
草野球チーム「木更津キャッツ」メンバー
●ぶっさん(田渕公平):岡田准一(V6)キャッツのキャッチャー。草野球の背番号は'''「2」'''、怪盗団の背番号は'''「1/2」'''(余命半年であることから)。
木更津キャッツアイのリーダー的存在で,ドラマの最初に悪性リンパ腫で余命半年を宣告されるがキャッツアイのメンバーと共にビールや泥棒や野球に明け暮れた日々を過ごす。実家である理髪店(バーバータブチ)の手伝いもし、腕前は確か。自他共に認める哀川翔の大ファンで映画「ヤクザ球団」の大ファンでもある。バンビとは一時期不仲であったが次第に仲を取り戻した。担任の浅田美礼が学校にいけなくなったことを気にしており、毎日自宅を訪ねている。蟹アレルギーで蟹を食べることが出来ない。
●バンビ(中込フトシ):櫻井翔(嵐)
キャッツのピッチャー。草野球の背番号は'''「1」'''、怪盗団の背番号は'''「0」'''(童貞であることから)。
実家は呉服店(中込呉服店)。キャッツアイ唯一の大学生でもっともまともな人間らしい感情を持つ。ぶっさんとは一時期不仲であった。暗い状況になったときに「野球やろうぜ」と必ずといっていいほどつぶやく。また、キャッチャーからのサインを無視することが多い。彼女のモー子に思いを寄せるが当のモー子からは「ぶっさんがいい!別れる!重い!」といわれている。バンビというあだ名は童貞からきている。ミスター木更津を決める予選で、3次予選のリズム感審査(やっさいもっさい)を途中で投げ出し、本来は失格なのだが、うっちーが「中込呉服店の中込さん?」との審査員の点呼に代返したため、失格にはならなかった。最終的には、「童貞だから」という理由で、審査委員長のローズにより、ミスター木更津に選ばれている。
●うっちー(内山はじめ):岡田義徳
キャッツのショート。草野球の背番号は'''「6」'''、怪盗団の背番号は'''「?」'''(謎の人物であることから)。
第1話で公助にモヒカン刈りにされ、以後特徴となっている。日本語をまともにしゃべれないほどボケキャラであるが、キャッツアイの泥棒のシーンでは裏で一番活躍している。一方英語はペラペラで、コンピュータも得意。自宅は船の上なのだが、判明するまではどこに住んでいるのかが不明でキャッツのメンバーに尾行されたが、必ず撒いていた。TVドラマでは名前が不明だったが、後に公開されたワールドシリーズで初めて「はじめ」という名前が判明した。ぶっさん達より1つ年上である。
第6話では、ダクト内を歩行するときに「うっ、うっ、うっちー」という『スパイ大作戦』の替え歌(岡田義徳のアドリブ)を披露した。この歌は日本シリーズでも披露している。
●マスター(岡林シンゴ):佐藤隆太
キャッツのファースト。草野球の背番号は'''「3」'''、怪盗団の背番号は'''「5」'''(飲み屋の営業時間が朝5時までであることから)。
「野球狂の詩」という飲み屋を経営していて、「ゴジラ焼き」(ゴーヤーを焼いたもの)「衣笠定食」(広島東洋カープにちなみ、鯉の煮物をメインにした定食)等の野球に例えたメニューが多いのが特徴。決して万人受けするとは言えず、どうやって経営が成り立っているのかは不明。爆発頭が特徴。先輩で妻のセツ子に3人目を妊娠させている。セツ子が「あんたぁ」と言うと、マスターが「愛してる」と言わなくてはいけない夫婦間のルールがある等、セツ子の尻に敷かれている。電話するときに「テルテルテレホン」と言う口癖がある。
●アニ(佐々木兆):塚本高史
キャッツのサード。草野球の背番号は'''「5」'''、怪盗団の背番号は'''「777」'''(ギャンブル好きであることから)。
実家は写真館(佐々木写真館)。金髪に染めていて、ボーダーのシャツが特徴。1年中暇をもてあまし、ギャンブル等をしている。弟の純は超優秀なピッチャーであり、家族でも差別的な扱いをされている。後に野球部監督に就任する。名前の「兆」は「きざし」と読むが、なかなか正しい名前で呼んでもらえない。あだ名は純のアニキからきている。ぶっさんが余命半年であることをぶっさんより先にぶっさんの父に伝えてしまった。3と7の足し算ですら、指を折って数えないと計算できない等、おバカキャラでもある。小峰社長に2回も犯されそうになり、トラウマになっている。
●山口:山口智充(DonDokoDon)
普段は保険代理店業(ニューエイジファイナンス たんたん保険)を営むヤクザ(房総京極会の若頭)。モノマネとジブリ作品が好きで、「モノマネ教室」の講師をしているほど。野球の腕はイマイチで1回で15点とられたこともある。
●猫田(猫田カヲル):阿部サダヲ
草野球の背番号は'''「4」'''。
キャッツのキャプテンで木更津第二高校野球部監督。普段は先輩である山口の保険代理店を任されている。ぶっさんとバンビの不仲の原因をつくった。山口のパシリのような存在でしょっちゅうシバかれている。嘘をつくとねずみ顔になる癖がある。
●オジー(小津裕次郎):古田新太(練習のみ)
木更津の守り神。高校時代に頭に打球を受けて記憶喪失になり、以降はマスターの店に入り浸って酒を飲みまくっている。ピッチャーとしての能力はかなり高い。青い帽子をかぶっていて、双子の兄がいるがヤクザ絡みの事件に巻き込まれて死んでいる。朝起きたときは「朝だよー!!」、夜は泣きながら「夜だよ〜」と叫ぶ。4話で登場したマスターの姉・ナオミと同級生で、彼女の前とやっさいもっさいの説明のシーンでは'''少しまとも'''な発言をしていた。
しかし、第6話で後述のシガニー小池に殺害された。オジーが死亡するという展開は、演じた古田の希望によるものである。元々別の舞台の仕事のため、途中降板しなくてはいけなかったという事情によるものである。
●犬島くん(猫田の後輩):中村獅童(練習のみ)
第7,8話のみ登場。髪の毛もマユゲも全ての毛を剃り上げていて、キャッツのメンバーだけでなく敵をもビビらせている。目を開けたまま寝る。アニの代わりに野球部を指揮したこともあるが、野球に関してはあまり上手いとはいえない。
●森山:森山直樹
草野球の背番号は'''「10」'''。但し、ワールドシリーズの公式メモリアルブックでは、「センター森山」と紹介されている。
キャッツ唯一の小学生。TVドラマでは第1話の試合で登場し、その後は練習風景等に不定期に登場。日本シリーズでは、ベンチにいるぶっさん・アニ・マスターを差し置いて先に代打指名された。
●リトル山田 : 妻夫木聡
第9話(延長10回)のみキャッツの一員として参加。ぶっさんの後輩で同じ野球部に所属していた。現在はドラフトで横浜ベイクルーズにプロ入りし、63試合で打率3割。シーズンオフははっちゃけまくっており、夜のバットは10割。元カノとのスキャンダル流失を恐れており、キャッツアイのメンバーに回収を依頼した。最終回の最後の新聞でオーナーの娘と離婚したことがわかっている。次のエントリ
その他のメインキャスト
●モー子:酒井若菜バンビの彼女。バンビがキャッツを優先しようとすると「別れる」と駄々をこねてバンビを困らせる。昔から簡単にヤラせる女と呼ばれていたが、実は処女である。オカリナ奏者の父を持ち、本人もオカリナを吹ける。
●美礼先生(浅田美礼):薬師丸ひろ子
うっちー以外のキャッツアイメンバーの担任で、現在も木更津第二高校で古文を教えている。国語教師ではあるが、学校では白衣を常用している。教頭からストーカーをされたり、イチコ達からバカにされたていた。バカにされるたびに、「殺」の1画を足していき、イチコの「殺」の文字が完成すると、生徒に対して嫌がらせ(殆どが異物の混入)でストレスを晴らしていた。しかし、上履きにカエルを入れようとしたところを純に見つかってしまった。以降は自宅に閉じこもっていたが、ぶっさんに励まされて学校に復帰した。漫画好きなのかぶっさんが差し入れた漫画は全て既にもっていた。
●教頭:緋田康人
美礼先生の勤める学校の教頭。美礼をストーカーしている。奥さんは自分より背が高く、次第にDVを受け始める。後の日本シリーズ、ワールドシリーズには出演していない。
●ミー子:平岩紙
第3話より登場した、うっちーの彼女。当初はうっちーの妄想上の銀行員であった。うっちーが、後述の小峰社長の魔の手から救ったことで交際スタート。普段はモー子とともに行動をしていることが多い。
●男の勲章・店長(帯谷):嶋大輔
男の勲章という喫茶店を経営している。髪型がリーゼントでキレると「ツッパることが男の勲章なんだよ」という。登場場面では「男の勲章」が流れる。第4話で「帯谷」という苗字が明らかになっているが、読み方は不明。
●アニの弟・純:成宮寛貴
高校きってのピッチャーでプロのスカウトからも注目を浴びている。家族ではかなり優遇されている。映画版には名前しか登場しない。
●マスターの妻・セツ子:須之内美帆子
マスターとの間に3人目を妊娠している。マスターに対し「あんたぁ」と言うのが口癖。
●巡査(竹田イチロウ):三宅弘城
「木更津キャッツアイ」の話の内容自体が、警察に厄介になるような内容が多く、しばしば登場する。時々不謹慎な言動もある。バク転ができる。
●五十嵐イチコ:細野佑美子、ひとみ:あじゃ、ちはる:柴山香織
美礼先生の勤める学校の女子生徒。美礼先生をバカにしたり、古文の授業を聞いていないことが多く、そのために美礼先生の嫌がらせの被害にあった。第2話では、うっちーにミニモニ。の「ミニモニ。テレフォン! リンリンリン」を歌わされている。なお、後の日本シリーズには出演していないが、ワールドシリーズには3人とも出演している。
●二代目・木更津ローズ:森下愛子
木更津のストリップ劇場(木更津ホール)に出演するストリッパー。第4話では、ミスター木更津コンテストの審査委員長も務めた。ヘルニアが原因でストリッパーをクビにされたことがキッカケとなり、ぶっさんの父・公助と結婚する。ドラマ上では、後述する氣志團メンバー6名全員の母親でもある。
●田渕公助:小日向文世
ぶっさんの父で、バーバータブチを経営しているが理容師免許は持っていない(ぶっさんの母の免許で営業している)。そのため客の髪型をむちゃくちゃにしてしまう。息子のぶっさんからは呼び捨てにされるが、なぜかぶっさんを呼ぶときは最後にクン付けをする。息子が半年で死ぬにも関らず結婚したり、山口のモノマネ教室に通うなどどこか無神経な一面もある。病院に運ばれたぶっさんの代わりに、長渕剛の格好で病院のベッドに寝たこともある。キレると「うぜーよ」など何故か若者言葉になる。当初は父親でありながら、ぶっさんが余命半年であることを知らず、知った直後に和田アキ子のモノマネを披露している。次のエントリ
ゲスト
●哀川翔:哀川翔 本人役で出演第3,5話に登場(後に日本シリーズでも登場)。木更津で釣りをするためにやってきたが、ぶっさん達によくしてもらい、キャッツと野球対決をすることを約束した。ドラマ内では「ヤクザ球団」という映画に主演しているが、本人は気に入っていない。「カタギに俺の球が打てるか!」という決め台詞がある。
●氣志團:氣志團 本人役で出演
第7話に登場(後に日本シリーズでも登場)。うっちーが訪れたライブハウスで初登場。ドラマの設定では木更津の「甘えん坊ハウス」で生まれ育ったタネ違いのローズの息子(兄弟)ということになっている。甘えん坊ハウスを救うために、山口に2000万円を要求した。TVドラマでは触れられていないが、シナリオ本では氣志團メンバー各々に以下の設定が与えられていた。
●中年男:きたろう
第2話に登場。山口から拳銃を盗み出し木更津のパチンコ景品交換所を襲撃した。
●加藤鷹:加藤鷹 本人役で出演
第7話に登場。モー子がAVデビューしかけたときの相手役。
●小峰社長:ケーシー高峰
第3話に登場(後に日本シリーズでも登場)。美男子の体を舐めるのが趣味のヤクザで、木更津一の高額納税者(大東亜物産、海苔とハマチの養殖業)。ケーシーの定番ネタが随所に見られ、医学用語(サモ・ハン・キンポー)も披露している。
●マスターの義姉・ナオミ:増田惠子
第4話に登場。町の至るところで泥棒を働き、「木更津'''の'''キャッツアイ」を名乗っていた。リモコンを盗む癖がある。オジーと同級生だったらしい。
●シガニー小池:ピエール瀧
第6話に登場。非合法の薬を運ばせているチンピラで、過去にオジーの兄を殺した。音痴な愛人である歌田光子(うただ ひかりこ 演:矢作美樹)に高価な宝石をつけて歌わせている。
●ダニー・ケニー・トニー:スチャダラパー
第5,6話に登場。ダニーをANI、ケニーをBOSE、トニーをSHINCOが演じている。シガニー小池の手下で、薬の運び屋をしている兄弟。猫田との合言葉は、ホテル三日月のCMソング(「旅行けば三日月~」という声が聞こえたら、猫田が「ホテル三日月~」と返す)。
●観月あさり:YOU
第8話に登場。なぜかローラースケートをはいている魔性の女で、ぶっさんも初めは嫌がっていたが、次第に気に入ってしまう。
●うっちーの父:渡辺いっけい
第8話に登場(後に日本シリーズ、ワールドシリーズでも登場)。CIAの諜報員である。家(船)では英語をしゃべっている。
●安住アナ:安住紳一郎 本人役で出演
第9話に登場。本人が司会を務める、さんまのSUPERからくりTVの人気コーナー「サラリーマン早調べクイズ」を、ドラマの中でそのまま行った。うっちーが回答者役となっている。次のエントリ
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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