津波

津波

'''津波'''(つなみ)は、海域での地震プレートによる)や海岸地域で起こる地滑り海底火山の活動、海底の地滑り、海洋への隕石の落下など気象以外の要因によって引き起こされ、海岸線に到達して被害を及ぼす可能性のある高波である。もともと日本語だが、20世紀後半以降は広く国際的に「Tsunami」と呼ばれている(後述)。
次のエントリ[ 語源 ]
津波
【画像】

語源

「津波」の語は、通常の波とは異なり、沖合を航行する船舶の被害は少ないにもかかわらず、(津)では大きな被害をもたらすことに由来する。日本は、近海の地震の他、遠隔地の地震からも被害を受ける場合がある。「津波(浪)」の語が文献に現れる最古の例は『駿府記』(作者不詳、慶長16年 - 元和元年)で、慶長16年10月28日(1611年12月2日)に発生した慶長三陸地震についての記述「政宗領所海涯人屋、波濤大漲来、悉流失す。溺死者五千人。世曰'''津浪'''云々」である。なお、表記は「津波(浪)」の他に「海立」、「震汐」、「海嘯」と書く場合があり、これらすべて「つなみ」と読む。

英語で、Tsunamiという語が初めて使われたのは、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がに出版した著作集「仏の畠の落ち穂」 (Gleaming in Budda-Fields) の中に収録された『生神様』 (A Living God) の中とされる。濱口梧陵をモデルにした『生神様』では、地震後に沿岸の村を飲み込んだ巨大な波を「Tsunami」と現地語(日本語)で表現した。これが、出版された文献で確認できるところの初出とされる。その後の事例は、1904年地震学の学会報告にはじまり、地震、気象の学術論文等に限られていたようである。元々英語圏では"tidal wave" という語が使われてきたが、この語は本来潮汐 (tide) による波を指し、地震による波にこの語を使うのは学問的にふさわしくないとされ、現在では '''''' が用いられる。研究者の間では"seismic sea wave"(「地震性海洋波」)という語が使われることもあったが、あまり一般的ではなかった。1946年アリューシャン地震ハワイに津波の大被害があった際、日系移民が "tsunami" という語を用いたことから、ハワイでこの語が使われるようになり、被害を受けて設置された太平洋津波警報センターの名称も1949年には とされたことから、アメリカ合衆国ではこの語が広く用いられるようになり、その後、1968年にアメリカの海洋学者ヴァン・ドーン (Van Dorn) が学術用語として使うことを提案し、国際語化した。

日本国外も含め「津波は引き波から来る」という伝承が広く広まっているが、必ず引き波から来るわけではなく誤解である。しかし、引き波に対して津波を警戒することは有効であり、スマトラ沖地震ではその教訓により死者を出さなかった地域がある。

「ツナミ」は学術用語として広く国際語になっていたが、スマトラ沖地震による津波が激甚な被害をもたらしたことが世界中に報道されたことを契機に、一気に各国の言語で一般語になった。

NHK テレビ・ラジオの非常放送(英語)では始めに「tsunami, tidal wave」と呼称される。
次のエントリ[ 特性 ]
津波
【画像】

特性

津波の物理的性質は風浪や、天文潮すなわち干潮・満潮等の規則的な潮汐とは異なっている。以下に、津波の諸特性について言及する。次のエントリ[ 原因 ]
津波
【画像】
津波
【画像】

原因

津波の発生原因として最も一般的なものは海底で起こる地震で、記録に残る津波の大部分はこれによるものである。断層が活動して地震が発生した時に、海底にまで断層のずれが達して海底面が上下に変化すると、海水までもが上下に移動させられてその地形変化がそのまま海面に現われ、水位の変動がうねりとなって周囲に拡大していき、津波となる。正断層による海底の沈降によっても、逆断層による隆起によっても津波は起こる。マグニチュード8級の地震では断層の長さが100キロメートル以上になる事もあり、それに伴う地形変化も広い面積になるので、広範囲の海水が動いて大規模な津波を起こす。もともと津波の発生には海底の地形が大きく変わる事が重要で、大地震による海底の断層とそれによる隆起や沈降は最も津波を起こしやすい現象といえる(逆に海底の断層運動があっても横ずれが卓越し隆起や沈降がなければ大きな津波は発生しない)。原理は、入浴中に浴槽の下から上へ、突き上げるように湯を手で押し上げて見るのが理解し易い。押し上げられた湯は塊りとなって水面まで持ち上がってから周囲に広がるはずであり、これが巨大になったのが津波である。

地震津波は大規模で、遠方まで伝わるため、地震を感じなかった地域でも津波に襲われる場合がある。これを遠隔地津波と言う。津波の到達まで時間があるので避難しやすく、人的被害防止は容易であるが、情報の伝達体制が整っていないと不意討ちを受ける形になり、被害が大きくなる。1960年チリ地震津波の際のハワイや日本、2004年のスマトラ沖地震の時のインド洋沿岸諸国などの例がある。また、「ゆっくり地震」或いは「津波地震」と呼ばれる、海底の変動の速さが遅い地震がある。人が感じる短周期の成分では比較的小さな揺れ(地震動)しか発生しないため、一見すると小規模の地震のようだが、実は総エネルギーは大きく海底面の変動も大規模で範囲が広いので、予期せぬ大津波が発生し、大きな被害をもたらす事がある。の明治三陸沖地震津波がその例で、原因となった地震については短周期の地震動の観測に基づいて長らくマグニチュード7.6とされてきたが、その後津波の大きさを考慮してマグニチュード8.25に改められた(2006年版理科年表)。

海岸線に近い場所で起きた火山山体崩壊等で、大量の土砂や岩石が海になだれ込んだ際にも津波が発生する。大部分は地震津波に比べてはるかに規模は小さいが、状況によっては地震が原因の津波と遜色がないほどの大津波が発生することもあると言われ、また発生地点に接して人口密集地帯があると大被害を引き起こす。雲仙岳の火山活動に起因する山体崩壊の際の「島原大変肥後迷惑」と呼ばれる、15,000人が犠牲になった の有明海の津波や、1979年インドネシアで700人から1,000人の犠牲者を出した津波などがその例である。1883年のインドネシアのクラカタウ火山の爆発では、大量の火砕流が海に流れ込んで津波が起こり、36,000人が死亡したとされる。また、山間部でも、同様に山体崩壊が起因でダム湖などの湖沼でも発生する。実際にイタリアバイオントダムでは、地すべりにより100mの津波が発生して2,000人以上が死亡している。

海底火山に起因する津波もあるが、海底の地形に大きな変動がなければ、爆発活動だけでは大きな津波にはならない。また、仮に海底地形の変動があっても、その範囲が小さければ津波の波源も小さくなり、発生した津波はすぐに分散してしまう。の明神礁の活動に際しても、八丈島で小規模な津波が観測された程度である。海底に生じた地滑りが津波を起こすかどうかについては、専門家の中に賛否両論あるが、実際に海底地すべりで起こったことが確認された津波の例はほとんどない。

巨大隕石が海に落下すれば津波が起こると考えられる(衝突津波)。歴史時代には明確に証明された衝突津波はないが、メキシコ湾カリブ海沿岸各地には、約6550万年前の天体衝突時に発生した津波の津波堆積物が残っており、津波高は約300mと推測されている。
次のエントリ[ 伝播 ]

伝播

津波は、水深の変化の無い大洋で発生した場合には発生源を中心に同心円状に広がって行くはずであるが、地震津波の場合、地震は多くが陸地近くの海域で起こり、その場合は波のおよそ4分の3は海岸に向かい4分の1が外洋に向かう。すなわち、1960年のチリ地震津波においては、チリ沖で生じた津波は最初は同心円を描いて広がったが、大陸斜面を進む波は水深の大きい沖合いで速度が速く、沿岸寄りでは遅くなるため、チリの海岸線に対し垂直方向に進む波以外は次第に進路がチリの海岸向きに屈折し、結局4分の3がチリ海岸に戻り、4分の1は太平洋を直進してハワイや日本に達したと考えられる。そのため、同じ環太平洋地域でありながら北アメリカ西岸やオセアニアなどでは目立った津波被害は起こっていない。物理的にはいわゆる孤立波であり、津波は海のソリトンと呼ばれる。

一般に水面に見られる波は、風によりできた風浪で、大きなものでも周期は10秒程度、波長は150メートルくらいである。これに対し津波の間隔は、短いもので2分程度、長いものでは1時間以上にもなり、100キロメートルを越す長波長の例もある。津波の波源域は広く、それによって波長が決まるためである。このため、津波が内陸に押し寄せる際には、その水位の高まりはあたかも海面自体が上昇するような状態になって、大きな水圧による破壊力が加わる。また津波が引く際にも、高くなった海面がそのまま引いていく形になり、やはり大きな破壊力を発揮する。チリ津波では、函館の例では押し波の水位差が2メートル、引き波が3メートルで、引きが強く、このような場合は押し波で破壊された物やもともと陸にあった物などが海に持ち去られる被害が大きくなる。

通常、津波は複数回押し寄せる。10回以上に及ぶ事もある。第2波、第3波が最も大きくなる傾向があり、その後次第に小さくなっていく。また、過去の津波における体験者の証言や昔話等の伝承に、津波の来襲前にまず引き潮が起こった、というものがあり、津波の前にはまず海水が引いていくと一般にも広く信じられているきらいがある。スマトラ沖地震では津波前に引き潮があり、魚を獲りに行った人々が犠牲になった事実があるが、日本海中部地震では引き潮が無く最初から津波が押し寄せた。津波が引き波から始まるか押し波からかは、諸条件によって決まり、予測は難しい。地震により海底の沈降が起これば引き波が先に来て、隆起があれば初めから押し波が来るが、震央をはさんで沈降と隆起が同時に発生する事も考えられる。
次のエントリ[ 速さ ]

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

別のワードで検索!
まずは検索→

トレンドマガジン [マグゥ]で津波を検索
津波

津波
といえば…

津波の記事

生涯一設計士・佐々木繁の日々:津波防御の要・“防潮堤高さ”は この ...沿岸部を襲う津波、岩手県警が映像を公開の記事詳細 | 楽天ソーシャル ...原発事故調中間報告の柱に 津波への対策は可能だった 住民に必要な ...東日本大震災:福島第1原発、津波後1時間内復水器再稼働なら「1号機 ...陸前高田の津波の映像を見た感想 - 我が家の愛犬日記、だった。 - 楽天 ...

津波のニュース

津波情報 : 天気 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)気象庁による津波警報の謝罪、米専門家は擁護 2010/03/02(火) 12:39:11 ...中日新聞:宮城・栗原で震度7 M8・8、広範囲で津波や火災:宮城で ...地震:津波で300人死亡か 福島・相馬 - 毎日jp(毎日新聞)宮城県北部で震度7、大津波警報発令 - 社会ニュース : nikkansports.com

津波の掲示板

津波情報 : 天気 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)気象庁による津波警報の謝罪、米専門家は擁護 2010/03/02(火) 12:39:11 ...中日新聞:宮城・栗原で震度7 M8・8、広範囲で津波や火災:宮城で ...地震:津波で300人死亡か 福島・相馬 - 毎日jp(毎日新聞)宮城県北部で震度7、大津波警報発令 - 社会ニュース : nikkansports.com

津波の情報

津波情報 : 天気 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)気象庁による津波警報の謝罪、米専門家は擁護 2010/03/02(火) 12:39:11 ...中日新聞:宮城・栗原で震度7 M8・8、広範囲で津波や火災:宮城で ...地震:津波で300人死亡か 福島・相馬 - 毎日jp(毎日新聞)宮城県北部で震度7、大津波警報発令 - 社会ニュース : nikkansports.com
人気の話題TOP10

[2012/2/15 6:09更新]
1時間前:圏外(600pt)
1時間前:1位(536pt)
1時間前:2位(458pt)
1時間前:3位(436pt)
1時間前:圏外(408pt)
1時間前:5位(382pt)
1時間前:6位(363pt)
1時間前:7位(360pt)
1時間前:12位(328pt)
1時間前:9位(326pt)
続きはこちら
>>
▼おすすめキーワード▼
▼人気の話題ランキング▼