消費貸借
'''消費貸借'''(しょうひたいしゃく、、、)は、民法学の用語であり、金銭の貸し借りのように、借りた物それ自体は借主が消費し、後日これと同種・同質・同量の物を貸主に返還するという契約をいう。日本では、当事者の一方(借主)が種類、品等及び数量が同じ物をもって返還をなすことを約して相手方(貸主)より金銭その他の物を受け取ることによって成立する契約と定義されている()。日本の民法では、消費貸借は要物契約、無償契約、片務契約の代表例である。以下、特に断らない限り日本の民法における消費貸借を説明する。
*民法は、以下で条数のみ記載する。
総説
金銭を目的物とする'''金銭消費貸借'''が代表的である。貸株は、株式を目的物とする消費貸借である(株式は民法上の物()には当たらないが、証券業が問屋営業の代表例とされているように、株式・株券を物のように見ることも一般的である。)。レンタカー契約のうち、自動車の燃料に関する部分は、燃料を目的物とする消費貸借といえる(使った分の燃料を補充して返却するので。自動車自体に関する部分は賃貸借。)。かつて行われた出挙は、種籾(イネの種子)を目的物とする消費貸借であるといえる。次のエントリ法的性質
消費貸借は、当事者の合意だけでは成立せず、貸主から借主に対し金銭等が実際に交付されなければ成立しない要物契約である。これは、ローマ法以来の伝統で、民法の消費貸借は無償を原則とすることから、貸借の合意後、貸主の都合で貸せなくなった場合に貸主が責任を追及されるのは酷と考えられるからである。
したがって、消費貸借契約が成立した以上、貸主が借主に対して金銭等を交付するという債務は発生しない。
もっとも、合意のみによって成立する'''諾成的消費貸借'''(だくせいてきしょうひたいしゃく)が認められるとする見解もある。諾成的消費貸借の成立が認められる場合は、貸主は、目的物を交付する(貸す)債務を負うことになる。
なお、消費貸借は、金銭等の交付と返還の約束があれば成立するから、契約書や公正証書が作成されなくても有効に成立する。
民法上は消費貸借は特に利息の合意をしない限り無償契約(無償消費貸借)となるが、実際には利息の合意(利息契約)がなされて有償契約(有償消費貸借)とされることがほとんどである。金銭消費貸借に伴う利息の利率については、利息制限法で上限が定められている。
また、商人間の消費貸借では、貸主は、商事法定利率(年6分)の利息を請求できる()。
消費貸借が成立すると、借主は、貸主に対し、定められた期限に貸金を返還する債務を負う。期限の定めがないときは、貸主が借主に相当の期間を定めて催告したときに返還する債務を負う()。一方、上記のとおり、貸主は借主に対して債務を負わないから、消費貸借は片務契約である。ただし、利息付き消費貸借の貸主や、無利息の消費貸借の貸主であって目的物の瑕疵を知りながら借主に告げなかった者は、瑕疵担保責任を負う()。
なお、前記の諾成的消費貸借が認められる場合は、双務契約となる。次のエントリ
貸主の義務
利息付きの消費貸借において、物に隠れた瑕疵があったときは、貸主は、瑕疵がない物をもってこれに代えなければならない。この場合においては、損害賠償の請求もできる。
無利息の消費貸借においては、借主は、瑕疵がある物の価額を返還することができる。この場合において、貸主がその瑕疵を知りながら借主に告げなかったときは、利息付きの消費貸借と同じである。次のエントリ
借主の義務
返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる()。
有償消費貸借においては利息支払義務を負う。なお、前述のように商人間の金銭消費貸借は特約がない場合であっても法定利息を請求できることとされている()。次のエントリ
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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