神の雫
『'''神の雫'''』(かみのしずく)は、原作:亜樹直、作画:オキモト・シュウによる日本の漫画作品。概要
2004年に『モーニング』(講談社)で連載を開始。2011年2月現在、単行本は27巻まで刊行されている。2009年1月から3月まで、日本テレビ『火曜ドラマ』枠で連続ドラマ化された。様々なテロワール、幻の醸造法、驚異のビンテージワインが彩る本作は従来のワイン表現方法に則らない、ワイン初心者にも分かり易い独自の表現が受け入れられ人気作となる。ゴルフより必須のビジネスツールとして日本国外でも人気が高く、特に韓国では200万部を売り上げ、韓国国内のワインブームの火つけ役ともされており、2009年の秋 - 冬にはドラマ化が予定されていた(後に諸事情により白紙化)。また、ワインの本場であるフランスでも「フランス人にとっても知らなかった知識が出てくるマンガ」と絶賛されており、アングレーム国際漫画祭2009年公式セレクションにも選定されている。
この漫画が原因で、シャトー・ル・ピュイというボルドー・ワインの価格が高騰し、出荷元が出荷を停止する事件に発展した。
2009年7月、料理本のアカデミー賞と言われるグルマン世界料理本大賞の最高位の賞である"殿堂"をパリで受賞した。
2010年1月、フランスのワイン専門誌「ラ・ルビュー・ド・バン・ド・フランス」が「今年の特別賞」(最高賞)に原作者の亜樹直と作画のオキモト・シュウを選出。ワインの宣伝に貢献したとして評価された。最高賞に日本人が選ばれたのは初めて。次のエントリ
あらすじ
ボルドーのグレートヴィンテージである1982年から22年が経った2004年、フランス料理店でソムリエ見習いとして働く紫野原みやびは、ワインに関する間違いを指摘したことで客の機嫌を損ねてしまった。だが、その客の連れとして来ていた青年が、「'''ソムリエーヌ!'''デキャンタを」と叫ぶと、神業のようなデキャンタージュによってみやびの窮地を救った。実はワインに関してはまったくの素人であったこの青年、神崎雫は翌日営業部から新設のワイン事業部への異動を命じられた。父親が世界的なワイン評論家であることを会社に見込まれたからであったが、雫はそんな父親に反発していたため、デキャンタージュの腕とは裏腹に、
そんな時、突然の父親の訃報。彼はある遺言を残していた。それは、彼が選んだ12本の偉大なワイン『十二使徒』と、その頂点に立つ『神の雫』と呼ばれる幻の1本が何年作の何というワインなのかを、彼の心象風景で綴られた遺言状を手がかりに、1年という期限ですべて当てた者に遺産の全てを譲渡するというものであった。そこに豊の養子として迎えられた遠峰一青が現れ、雫は遺産相続をめぐり、豊の選んだワインを探すだけでなく、風景や人物、美術作品などに例えて表現する勝負に挑むこととなった。
テロワールを極めるために、ブルゴーニュの畑の土をブラインドテイスティングするトレーニングを行い、果実味を補うために行う補糖のような醸造法を許さない真摯なワイン評論家である遠峰と戦うこととなったワイン素人の雫は、一期一会の表現を心がけたいので、試飲することなくワインを探すために、開封されたコルクに染み付いた香りや、通気性のよいコルクを通過するワインの香り、幼い頃に食べたブドウの味の記憶を頼りに12使徒を探すことになった。次のエントリ
登場人物
● 神咲 雫(かんざき しずく)主人公。ビール会社・太陽ビールの営業マン。ワイン事業部に異動になる。幼い頃から父親にワインの英才教育を受けてきたが、そんな父親に嫌気が差しビール会社に就職した。未開封のワインの中身を判別できるほど嗅覚は敏感で、表現力と感覚は父親譲りだが、ワインに関する知識はほとんど持たない。ワインの知識豊富なみやびを頻繁に「頭でっかち」呼ばわりするなど、知識のある人を軽視している。
二枚目で複数の女性から好意を寄せられるものの、女心には超鈍感なため常に女性側の一人相撲となる。
使徒探しにおいては、特に努力しなくても使徒の鍵を握る人物と偶然知り合ってしまう強運の持ち主である。
● 紫野原 みやび(しのはら みやび)
仏料理店で働くソムリエーヌ。極めて正確にぶどう品種を識別する能力をもつが、資格試験にはなかなか合格できないでいる。後に、アドバイザーとして太陽ビールに契約社員として雇用される。
ワインの知識に乏しい雫をサポートしている。
酔っ払うと男を部屋に連れ込む癖があり、作中では、度々セクシーショットが披露されている。
● 神咲 豊多香(かんざき ゆたか)
雫の父親。世界的なワイン評論家。世界有数のワインコレクターで、所有するワインの市場価格の総額は20億円相当と言われる。膵臓癌で死亡し、ある遺言を残す。
作中ではロバート・パーカーに並ぶ世界的ワイン評論家とされており、ワイン関連の著作もあり、市場価格にも影響を及ぼしていた。また、評論家の枠にとどまらず、リリース前のワインのテイスティングノートを書く天才的味覚・嗅覚を生かしてワイン醸造のコンサルティングも行っていた。
若い頃にワインの先物取引(先物価格でワインを購入し、価格が上がったら転売して利ざやを稼ぐ投機的ワイン売買)で財産を築く。
● 遠峰 一青(とおみね いっせい)
若きカリスマワイン評論家。神咲豊多香のワインコレクションが欲しいがために、養子縁組をし、雫とともに遺言を受ける。雫のライバル。
非常にプライドが高く度々傲慢な態度をとるが、日夜テイスティングの腕を磨き続ける努力家でもある。また、ワインのためとあらば類まれなる行動力を発揮し、「ワインへの渇望」を高めるためにタクラマカン砂漠に行ったり、遺言状の記述を理解するために遊園地を一つ貸しきるなど常人の理解が及ばない行動をとる。
別れのワインに、二次発酵前に糖分添加されないシャンパンを贈るロマンチスト
● 霧生 涼子(きりゅう りょうこ)
弁護士。神咲豊多香の遺言作成にも立ち会い、氏の残したワインの管理と相続に関する全てを任されている。
● 藤枝 史郎(ふじえだ しろう)
ワインバー『モノ・ポール』のオーナーソムリエ。みやびの師匠。
「オーパス・ワン」や「カロン・セギュール」などの高級ワインをおごりで客に出すなど、非常に気前が良い。
若い頃は共産主義に傾倒し、学生運動にのめり込んでいた。
● 美島 壮一郎(みしま そういちろう)
みやびの勤めるレストランチェーンのオーナー。
在庫を抱えないために高級ワインのオーダーが入ったら近所の酒屋に買いに行くよう指示したり、ひたすら利益を追求するタイプの経営者で周囲からはビジネスの鬼と評されていた。
過去の恋人とよりを戻したことをきっかけに穏やかで寛大な性格となる。
● 西園寺 マキ(さいおんじ マキ)
西園寺コーポレーション・SAIONトレーディング社長。ワインインポーター。一青のパトロンである。
雫が使徒勝負から降りるよう罠にはめたり、ローランを一青から引き離そうと画策するなど、目的のためなら手段を選ばない性格だが、バローロの革新派は伝統的な大樽ではなく小樽(バリック)を使ってタンニンを抑えるという貴重な情報を持つ
● 土肥 ロベール(どい ロベール)
神咲豊多香の旧友で、氏に最も信頼されていた。現在はいわゆるホームレスで、公園のダンボールハウスに『シャトー・ロベール』と名付けて住んでいる。住んでいる公園は私設のもので、ダンボールハウスで暮らしてはいるものの、数十億円の資産があるらしい。雫と一青の戦いの立会人。
口癖は「それもまたワインじゃ」。
● セーラ
売れっ子モデル。一青の異父妹。日仏ハーフ。5歳で初めてワインを飲み、12歳で普通に飲むようになり、14歳でワインの虜になり、ワインの知識も豊富。みやびから「マダム・ルロワのよう」と評される。
太陽ビールのCMモデルに採用され、雫とも交流するようになるが、一青の妹であることは隠し、使徒探しの進行状況などを密かに探っては一青に報告している。
● 河原毛(かわらげ)
ワイン事業部の部長。
常にまったりしており存在感が薄いが、ワインへの愛情と知識には並々ならぬものがあり、部下からの信頼は厚い。
ワイン事業部は河原毛の上層部への熱心な働きかけによって発足した。
● 本間 長介(ほんま ちょうすけ)
ワイン事業部の一員。昔フランス人女性に振られたことが原因で、イタリアワイン一辺倒になる。
筋金入りのワインオタクであり、自宅マンションのスペースのほとんどをワインの保管に当てている。
モデルはシニアワインアドバイザーの本間敦。
● 石河 順也(いしかわ じゅんや)
みやびの中学校・高校時代の友達。入院中の父親に代わりワインショップを営む。一橋大学卒。双子の兄。ワインは生産者で決まる、がポリシーだった。
● 石河 健也(いしかわ けんや)
同上。双子の弟。優秀な兄と違い元暴走族で、高校も中退した。ワインは畑で決まる、がポリシーだった。
● ローラン
第2の使徒探しの際、一青がタクラマカン砂漠で出会った中国・新疆ウイグル自治区出身の女性。名前の由来は楼蘭で、母親が日本人。ワインに関しては無知だが、砂漠に埋もれていたワインを見つけるなど大変優れた嗅覚を持つ。一青に日本へ招かれ、一青の使徒探しに協力する。
● 遠峰仄香(とおみね ほのか)
一青とセーラの母親。フランス有数のワインテースターで航空会社の取締役夫人。次のエントリ
登場するワインについて
原作者の好みにより、紹介されるワインの大半はフランスワインである。次いでイタリアワインを中心としたヨーロッパ産ワインの登場頻度が高い。新世界(アメリカ、オーストラリア、チリなど)のワインはあまり紹介されない。原作者が実際に飲んだワインのみ登場させている。次のエントリ出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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